京街道その2(淀〜枚方公園)

−京都と熊野古道のドッキング企画スタート!−

   

山行概要

日 程
2018年2月11日(日)
天 気
曇り一時雨
メンバー
単独
コースタイム
京阪淀駅(淀城跡・興杼神社)=0:35=淀川御幸橋北詰=0:15=石清水八幡宮一ノ鳥居=0:20=石清水八幡宮本殿=0:15=京阪八幡市駅=0:25=京阪橋本駅=0:15=楠葉台場跡=0:20=京阪楠葉駅=0:45=京阪牧野駅=0:25=渚の院跡=0:50=京阪枚方市駅=0:30=京阪枚方公園駅【4:55】

記録文(写真はクリックで拡大)

 貴重な仕事の無い2月の3連休。しかし激寒で、特に初日は悪天で遠出は断念…
 2日目、3日目も雪が舞いそうなくらい寒そうだ。外出する気が失せかけ、出発も遅れたが、何とか家を出る。何も考えてなかったので、行きたい候補のストック集から京街道を思い出す。
 かなりの突発出動だが、京街道をやり、淀〜天満橋が繋がれば(京都〜淀は鳥羽街道で歩き済み)、めでたく京都〜熊野本宮大社〜伊勢神宮が繋がるので、京阪淀駅に降り立つころには、モチベーションも上がってきた。
 とりあえず、淀駅のすぐ西側にある、淀城跡・興杼(よど)神社へ。

興杼神社本殿 8:08

 淀城跡には稲葉神社や、この興杼神社が集積している。
 社伝によれば、応和年間(961〜64)、僧千観内供(せんかんないぐ)が、肥前国河上村の淀大明神を勧請したことに始まると伝えられている。当初、水垂町に祀られ、桂川の水上運輸の守護神として人々から崇敬されていたが、明治33年(1900年)に淀川改修工事のためここに移された。
 拝殿は、慶長12年(1607年)に建造されたもので、国の重要文化財に指定されている。同時期に建築されたと思われ、同じく重要文化財に指定されていた旧本殿は、昭和50年(1975年)8月に未成年者達の花火で全焼してしまったらしい…

 駅前から、淀の街並みに入り、文相寺から、旧街道らしい細道を西南へ抜けていく。特に美豆という集落は町家も結構残っていて、風情がある。
行く手に京滋バイパスが近づいてくると、右にカーブして京守の交差点で旧R1(府道13号線)に合流し、歩道を歩く。

淀川御幸橋北詰 8:45

 淀川(宇治川)御幸橋を渡ると、八幡市が整備した交流施設の「さくらであい館」が建っており、サイクリストが大勢休憩していた。それにしても淀川堤防は自転車だらけになったな… 歩いているのは私くらいである。

京阪本線木津川橋梁 8:51

 更に木津川御幸橋を渡る。渡ったところが京阪八幡市駅。せっかくなので、石清水八幡宮に寄ってくことに。

石清水八幡宮一ノ鳥居 9:00

 一ノ鳥居をくぐり、頓宮に参拝し、二ノ鳥居から表参道を登っていく。

石清水八幡宮表参道 9:05

 参道は「七曲り」と呼ばれる九十九折れの急な石段が続く。「七曲り」が終わったところの分岐で、「本殿」を示す道標を鵜呑みにして右に曲がり、石清水社経由の裏参道に入ってしまっていたが、気が付いた時には南総門が間近に迫っており、後の祭り… 表参道コンプに失敗した…
 南総門を抜け、本殿へ。

石清水八幡宮表楼門 9:20

 石清水八幡宮は、貞観元年(859年)に南都大安寺の僧行教(空海の弟子)が豊前国、宇佐神宮にて受けた「われ都近き男山の峯に移座して国家を鎮護せん」との神託により、翌貞観2年(860年)に清和天皇が社殿を造営したのが創建とされる。「石清水」の社名は、男山に既に鎮座していた石清水山寺(現・摂社石清水社)からとも、男山の中腹から湧き出ている"石清水"からともされる。
 皇室からは、京都の南西の裏鬼門を守護する王城守護鎮護の神、王権・水運の神として篤く崇敬され、天皇・上皇・法皇などの行幸啓は250余を数える。
また、清和源氏の足利氏、徳川氏、今川氏、武田氏などの源氏諸氏族から氏神として崇敬されたため、武神・弓矢の神・必勝の神とされた。これら源氏によって、当社の分霊は源頼義による壺井八幡宮や頼義・頼朝による鎌倉の鶴岡八幡宮など、数多くの八幡宮に勧請された。
 現在の社殿は寛永11年(1634年)、三大将軍徳川家光の修造によるもので、この楼門を含む本殿の建造物10棟が平成28年(2016年)2月に国宝に指定された。本殿は現存する八幡造の中で最古かつ最大規模を誇る。

男山山麓の放生川に架かる安居橋 9:40

 急な裏参道の階段を下り、二ノ鳥居に着陸。目の前にアーチ型の橋が見えたので寄ってみる。
 これが安居橋(あんごばし)で、架けられた時期は定かではないが、江戸時代初期には架けられていたと伝わる。江戸時代の放生川には、川上から「五位橋」「安居橋」「六位橋」「高橋」が架けられており、安居橋は五位橋の後に架けられたため「相五位橋」(あいごいばし)と呼ばれていたが、それが訛って「安居橋」と呼ばれるようになったといわれている。
 慶応4年(1868年)の鳥羽伏見の戦いで焼失した後、川下にあった「高橋」を偲ばせる形で再興された。

京阪橋本駅近くに立つ大楠 9:59

 川沿い&京阪の線路沿いに西に進む。京阪橋本駅の手前には大きな楠が立っており、伐採に反対する住民の看板が立っていた。
 橋本駅周辺は古い民家も多く残っており、路地を行くといった感じであり、旧街道歩きの風情が満点である。
 しかし、橋本駅を過ぎてすぐのところで、道路整備によって旧道は大きく寸断されており、いったん淀川堤防上の府道まで登らされ、ばっくした橋本小金川の交差点からの陸橋で京阪本線をまたいで、大型のドラッグストアやコンビニが立ち並ぶところを通過し、やっと路地に復活する。
 ばらく南下すると、広々とした公園風のところに出た。

楠葉台場跡 10:30

 楠葉台場跡は、慶応元年(1865年)、勝海舟が奉行となって建設された、江戸幕府の砲台跡で、国指定の史跡である。
 文久3年(1863年)、京都守護職である会津藩主松平容保は、外国船が淀川をさかのぼって京都に攻め込んで来ないように淀川の両岸に台場を建築することを建白し、建設が始った。しかし、真の目的は長州藩などの反幕府側の人物や過激派を京に入れさせないための関門であり、要塞であった。河岸に造られた台場は非常に珍しく、同時に造られた淀川右岸の高浜台場と左岸のこの楠葉台場のみである。
 鳥羽・伏見の戦いで新政府軍に敗北し、淀藩に裏切られた旧幕府軍は、主力を橋本陣屋に集結させ、楠葉台場にも小浜藩が詰めて守備についていた。ところが、淀川右岸の大山崎や高浜台場等を守備していた津藩も裏切って旧幕府軍に砲撃を開始、楠葉台場はこれに応戦したが、新政府軍が淀川左岸に入って来たので、軍勢は総崩れとなって大坂に退却を開始した。

 楠葉台場は、南側から攻め上ってくる船や軍に向けて造られたので、南側は堀幅も大きく稜堡式の砲台を有していたが、北側は堀幅が小さく砲台も備えておらず、火薬庫も北側の端にあるなど、北から攻められた場合、防御陣地としては役に立たなかったので、放棄され、新政府軍に占領された。
 私は枚方出身ですが、今までこの存在を知りませんでした…
 台場からは再び街道らしさがところどころに残る住宅街を進むと、樟葉駅に到着。まだ11時前だったが、腹が減ったので、辺りを物色するも、目ぼしい店が無く、何とがストに入店…
 超激安ハイボールとデキャンタワインで昼から泥酔… しかも気が付けば、天下一品でラーメンをすする私… 2時間以上も樟葉駅に腰を落ち着けてしまった…
 何とか歩みを再開するが、淀川左岸の旧国道を歩いていたと思うが、記憶が…
 牧野駅前を通過し、意識混濁のまま南へ(笑) 大阪府の京街道のマップでは御殿山駅まで旧R1(府道13号線)をたどることになっているが、住宅街を南に迷走した挙句、気が付けば幸運にも渚院跡の前にいた。

渚の院跡 14:10

 渚の院は9世紀、惟喬親王が交野遊猟に用いた別荘とされている場所である。
 惟喬親王は文徳天皇(在位:850〜58年)の第1皇子であるが、藤原氏を外戚とする惟仁親王(後の清和天皇)との皇位争いに敗れ、その憂さを晴らすため、在原業平らとしばしば渚の院に来ていたという。
 「伊勢物語」82段には「いま狩する交野の渚の家、その院の桜ことおもしろし。その木のもとにおりゐて、枝を折りてかざしにさして、上中下みな歌よみけり」との記述がある。現在は渚保育所の敷地となっている。
 さらに住宅街を迷走し、何とか前方にTSUTAYAの旗艦店であるT-SITEが見えてきた。枚方市駅に到着。

枚方宿 15:13

 枚方市駅から枚方公園駅の間は、枚方宿跡があり、枚方市が力を入れて再整備をしているので、京街道で一番のハイライトと言える。
 枚方宿は、東海道56番目(江戸から大坂の東海道57次)の宿場で、ほぼ京都と大坂の中間に位置する交通の要衝であり、陸の街道だけでなく、街道とほぼ平行して流れる淀川を利用した水上交通の中継港としても繁栄した。
 岡新町、岡、三矢、泥町の四ヶ村が枚方宿とされ、宿場両端の東見付から西見付まで、東西13町1間(1447m)、道幅2間半(4.5m)。北側の淀川と南側の枚方丘陵の西端にあたる万年寺山に挟まれた地域に東西に細長く続いていた。

 宿場内では、いろいろと地域おこしのイベントが開催されており、なかなか賑やかだ。
 あっと言う間に、枚方公園駅に到着。今日はここまでにしておこう。
 明日は終点の天満橋を目指す。

参考タイム

2/11 京阪淀駅(淀城跡・興杼神社) 8:108:45 淀川御幸橋北詰 8:459:00 石清水八幡宮一ノ鳥居 9:009:20 石清水八幡宮本殿 9:309:40 安居橋 9:409:45 京阪八幡市駅 9:4510:10 京阪橋本駅 10:1010:15 セブンイレブン京阪橋本駅南店 10:2010:30 楠葉台場跡 10:3010:50 京阪楠葉駅 13:0013:45 京阪牧野駅 13:4514:10 渚の院跡 14:1015:00 京阪枚方市駅 15:0015:30 京阪枚方公園駅

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