大峰奥駈(吉野〜洞川温泉)

−職場の若手を連行し、大峰奥駈のスタート区間へ。ついに吉野〜熊野本宮を踏破!−

   

山行概要

日 程
2015年12月5日(土)
山 域
大峰山脈
天 気
曇り
メンバー
IM君、KN君、OK君、OT君、Wヒロシ(I.ヒロシ、F.ヒロシ)
コースタイム
近鉄大和上市駅=0:35=吉野神宮=0:30=下千本=1:40=金峯神社=1:50=四寸岩山=0:15=足摺茶屋跡=0:45=二蔵宿小屋=1:05=大天井茶屋跡=0:15=大天井ヶ岳=0:30=五番関=0:50=今宿跡=1:05=洞辻茶屋=0:50=一本松茶屋=0:40=清浄大橋=0:15=母公堂=0:40=洞川温泉【11:45】

記録文

 昨年度のオーバーナイト、ダイヤモンドトレイル一撃踏破から、早や1年。伊達と酔狂の企画をまたまたやりたくなってきた。しかも、職場の若造から「課長〜 もう46歳ですよね〜 体力大丈夫っすか?」と挑発され、黙っている訳にもいかず、今年もまた企画してしまう。

 そして、職場の身の程知らずの若手3人を逆挑発し、パーティを編成。私だけでは素人集団の引率は不安なので、山慣れた40オーバーのI.ヒロシ、OT氏を招聘し、万全を期す。
 皆の都合を調整し、決行日を12月5日に定める。戦場は、この5月に南奥駈を踏破し、あと吉野から山上ヶ岳をやれば奥駈道をコンプリートできる私の都合を最優先し(笑)、吉野〜山上ヶ岳がターゲットとなった。しかも、吉野駅から歩いたら良いものを、それより手前の大和上市駅から歩くと、一気に私のトレースが奈良市内を越え、大阪辺りまで繋がることから、わざわざ大和上市駅から皆を歩かすという、超身勝手なプラン。

 実行日が近づく。暖冬の今冬だったが、直前に寒気が入り、積雪があったようだ。まあ、しかし、所詮は1700m台だと高を括り、全くコース変更や特別な装備も検討しないまま、当日へ。
 私はいつものように一杯ひっかけて、赤い顔で、大和上市駅へ。終電での到着で、日付は既に変わった。無事6人全員が集合し、すぐさま歩き出す。

大和上市駅をスタート! 0:18

 0時20分という馬鹿げた時間のスタート。上市橋で吉野川を渡り、吉野小学校の横を抜け、吉野神宮駅で近鉄を渡り、吉野神宮へ車道を登っていく。皆、賑やかにハイテンションで、かかり気味だ。この時、私とI.ヒロシは昨年の経験から、「夜が明ける頃には黙るんだよな〜」とほくそ笑んでいた。

下千本辺り 1:23

 村上義光の墓を過ぎると、下千本の大駐車場に出る。吉野駅を眼下に見下ろしながら、門前町に入る。蔵王堂も素通りし、上千本を目指すはずが、暗闇のせいか、稜線の西側を大きく巻きながら登っていく林道に入ってしまい、スマホのGPSで気付いた時には、もう戻る方がロスが大きいところまで来てしまっていた。
 ロングコース序盤でのルートミスで士気を大きく下げるのを懸念し、他のメンバーには何も言わず、そのまま進む(笑)

金峯神社 3:05

 金峯神社で正ルートに何とか合流。当たり前だが、稜線上で風が当たると滅茶苦茶寒い。先が思いやられる。
 ついにここから山道になる。一気に足元が暗くなり、先行の初心者達のペースがグッと落ちるが、体力温存のためにこれでよかった。
 青根ヶ峰も素通りし、助四郎尾と呼ばれる稜線を登っていく。正直、この辺り睡魔で記憶がほとんどありません(笑)

四寸岩山 4:57

 足元に白いものが目立つようになると、四寸岩山に到着。軽く栄養補給するが、止まると寒くて死にそう。
 ひとしきり下ると、足摺茶屋跡の避難小屋に到着。小屋の中に入ると多少は寒さはマシだ。この日のために購入した魔法瓶の「山専ボトル」でコーヒーを皆にサーヴし、生き返る。

二蔵宿小屋 6:39

 ゆるやかに下り基調で進むと、二蔵宿小屋。ここでようやく明るくなった。ここでも小屋内でゆっくり休憩しようと思っていたが、鍵がかかっていた…
 ここから大天井ヶ岳への標高差400m以上の登りにかかる。雪が増え、傾斜も強まる。行動時間が6時間を超え、かなり疲れてきた。
 何とためにあるのか分からない、モノレールに沿って登る。

大天井茶屋跡 7:45

 いったんゆるやかになると、祠の立つ大天井茶屋跡。大天井ヶ岳が目前に迫るが、ここからが凄い急登だった。時折鎖場も現れ、残雪と相まってなかなか難渋する。
 何とか頂稜に突き上げ、少しV字型に戻ると、大天井ヶ岳の頂上。

大天井ヶ岳 8:00

 展望は霧に閉ざされているし、止まると寒くて死にそうなので、すぐに先へ急ぐ。この辺りから霧氷がだいぶ育ってきた。美しい〜
 大天井ヶ岳の登りもきつかったが、下りも激下りが続く。向かい側の小天井ヶ岳がどんどん高くなり、精神的にキツい…

五番関 8:35

 広場に降り立ちホッとする。ここが女人結界の五番関。女人結界門が立っており、厳かな雰囲気に溢れる場所だ。
 しかし、長時間歩行で、足の付け根を痛めた、IM君、OK君が二人してパンツを下ろして、バンテリンを塗りたくっており、雰囲気ぶち壊しである。

小天井ヶ岳付近を行く 9:04

 女人結界門をくぐり、小天井ヶ岳を越えていく。無雪期では全然問題ないと思うが、急峻な沢の源頭を何カ所か巻いていく箇所があり、けっこう怖い。
 祠だけが立つ、今宿跡を過ぎると、1479ピークへの登りとなる。行動時間が10時間に達する中、急登の波状攻撃にもうフラフラである。

1479ピークへは鎖の急登が続く 10:02

 急登だけなら良いが、けっこうな鎖場が連続。無雪期ならまだしも、この足元では… 初心者軍団を連れてきてしまったことに後悔するが、皆何とか鎖にしがみついて突破する。

霧氷が満開! 10:32

 1479ピークを越えると、ゆるやかな下りの道が洞辻茶屋まで続く。この辺り、霧氷が満開! 疲れが吹き飛ぶ光景。

洞辻茶屋へ到着! 10:34

 鎖場連続の険路で、コースタイム以上かかって、ようやく洞辻茶屋へ到着。何と私は奥駈の北半分(山上ヶ岳〜釈迦ヶ岳)をやった24年振りの再訪である。ということで、やっと大峰奥駈コンプリート! そして、目論見通り、北は天満橋まで繋がった!
 初心者軍団も疲れてきているし、山上ヶ岳へは、さらに雪が深そうなので、あっけなくここで終了とする。
 茶屋の中で、山専ボトルの最後のお湯でコーヒータイム。この期に及んでも、まだお湯のままで、この魔法瓶、凄すぎる。

清浄大橋の女人結界 12:25

 雪の斜面に難渋しながらも、何とか清浄大橋に着陸。いや〜、皆さん頑張りました。

山上ヶ岳を振り返る 12:33

 振り仰ぐ、山上ヶ岳は、雪で真っ白。行かなくて良かった。
 後は林道を淡々と進む。母公堂では何とコーヒーをいただき、さらにのんびりと温泉街を下り、洞川温泉へ無事到着。
 事前に聞いていたが、ポンプ故障につき、何と真水のお湯だった(100円割引だった)が、そんなことは冷え切った体には関係なく、至福のひと時を過ごす。
 バス停前の食堂でカツ丼とビールで昇天し、帰りのバスと近鉄電車の記憶がほとんどないまま、帰洛した。

参考タイム

12/5大和上市駅 0:200:55 吉野神宮 0:551:25 下千本 1:253:05 金峯神社 3:054:55 四寸岩山 5:005:15 足摺茶屋跡 5:406:25 二蔵宿小屋 6:407:45 大天井茶屋跡 7:458:00 大天井ヶ岳 8:058:35 五番関 8:409:30 今宿跡 9:3010:35 洞辻茶屋 10:5511:45 一本松茶屋 11:4512:25 清浄大橋 12:2512:40 母公堂 12:5013:30 洞川温泉

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