佐賀・長崎の山旅(2日目:志々伎山、平戸、黒髪山)

−またもや山は二の次の気ままな九州一人旅の2日目−

   

  

山行概要

日 程
2012年4月22日(日)
山 域
平戸島・黒髪山地
天 気
曇り後晴れ
メンバー
単独
コースタイム
阿弥陀寺=0:10=志々伎神社=0:30=志々伎山=0:25=志々伎神社=0:10=阿弥陀寺
乳待坊公園=0:10=見返峠=0:15=黒髪山(天童岩)=0:10=雌岩=0:05=見返峠=0:10=乳待坊公園【2:05】

記録文

 佐世保を5時に出発。まだ雨が残っているが、昨日の暴風雨は嘘のように静まっている。予報では確実に回復するとのことなので、一路平戸島へ。
 平戸訪問は私の長年の夢であった。しかし関西から平戸は遥かに遠く、近隣にメジャーな山もなかったことから、後回しになっていたのである。ようやくその夢が叶うということで、ついスピードを出し気味になってしまう。
 真紅の平戸大橋を渡り、いよいよ平戸へ。市街地はすぐ先だが、この私が平戸まで来て観光だけというのも味がないので、まずは島南端の志々伎山へ向かう。低山ながら、日本最西端のとんがり山として、その尖り具合がマニアの間では有名な山である(ホンマかいな)。
 R383で一気に島を縦断する。途中には車を停めたい光景が頻出。西海の青い海が眩し過ぎる。目指す志々伎山が徐々に近づいてくるが、北側からはその尖り具合を量ることができない。
 県道から志々伎神社を示す道標に従い、山手に入る。すぐに阿弥陀寺が現れ、志々伎山への登山道(志々伎神社への参道)は寺の横に立つ鳥居から石段が始まっている。鳥居の前に駐車スペースがある。

登山口の駐車場 7:03

 向かいは保育所になっている。当然この時間なので、車は私の1台のみ。
 雨は止んでいるのだが、南国らしい湿気のある風が吹き抜ける。レインジャケットの上を羽織って出発。

登山口の鳥居 7:04

 ここからスタート。薄暗い森の中に石段が延びる。ヘッドライトもいりそうな薄暗さで、かなり不気味である。
 10分ほどで志々伎神社に登りつく。登山道は社の西側を回りこみ続いている。石垣だけが残る中宮跡を過ぎると登りが本格化する。

岩峰が現れる 7:26

 この岩峰は登らない。右下には海が広がっているが、写真では良く分からないな。
 登山道はピークの南側を回りこみながら徐々に高度を上げる。行く手の右側には海が見下ろせ、標高200mほどの所を歩いているので、荒々しい波音が直に響き、山に登っている気がしない。
 登山道は岩混じりで昨日からの雨もあって非常に滑りやすい。いつものように運動靴の私は大苦戦する。皆さんはちゃんとした登山靴で登ってください。

頂稜に上がった 7:42

 ピークの回り込みを終えると、岩尾根の激登りが始まる。確かに急だが、そこは標高300m余りの小山であるからして、一気に頂稜に飛び出す。
 写真は北側の志々伎湾方向を見下ろしたもの。さすがに尖がり山の頂稜だけあって、幅は狭く、なかなかの高度感。風が強いので、転がり落ちそうになりながら、すぐ先のピークへ。

ピークからの展望@ 7:46

 ピークには志々伎神社の奥宮である古い石祠が建つ。
 西側を見下ろす。晴れていれば五島列島も見えるらしいが、この日は残念ながら天候回復が間に合わなかった。

ピークからの展望A 7:49

 南側は一気に海になだれ落ちている。この山腹を歩いてきたはずだが、どこをどうやって歩いてきたのか…
 強風に耐えかね、そそくさと下山。全身を使った必死の下りで、何とかコケずに登山口へ帰還した。

志々伎山 8:37

 この姿が尖がり山の由縁である。素晴らしい!! この姿を撮りたいために、立野子小学校まで寄り道しました。
 満足し、平戸市街へ戻る。

カトリック宝亀教会 9:25

 途中の宝亀(ほうき)町で寄り道。
 明治31年の建立。白の漆喰とレンガのコントラストが美しい。内部のステンドグラスも幻想的。折りしも今日は日曜日で礼拝が行われており、大勢の町民さんで教会は大賑わいだった。
 さあ、憧れの平戸のまちへ。市中心部の市役所前の無料駐車場に車を停める。

幸橋 9:51

 市役所のすぐ目の前にある。別名「オランダ橋」。オランダ商館の石造建築に携わった石工達がオランダ技法を駆使して造ったアーチ型の石橋。
 次は城攻め。観光協会のレストハウスが建つ北側から登っていく。

平戸城 9:58

 山鹿素行の弟子である松浦家26代松浦鎮信が、素行とともに全国を歩いて資料集めを行い、山鹿流軍学に基づく縄張りにより構築した城。
 本当に本当に長年憧れた城であり、めっちゃ嬉しい!!

平戸城からの眺望 10:13

 三層五階の模擬天守からは平戸市街が一望。ザビエル記念教会も写っているが、小さすぎてよく分からん。
 櫓も4基復元されており、全て回ってから、南側の亀岡公園を抜けて、最教寺へ細道を抜ける。

最教寺三重大塔 10:42

 最教寺は西の高野山と呼ばれ、弘法大師(空海)の霊場として名高い。この三重大塔は、弘法大師の1150年御遠忌を記念して、昭和63年に奥の院本殿横に建立したもので、相輪までの高さは33.5mと三重塔としては、日本一の規模を誇る大塔である。
 苔むした参道を下り、本堂を参拝してから、市の中心部へ戻る。魚の棚町から昔ながらの街並みが残る通りを進む。まだ11時だが、5時から活動しているので、さすがに腹が減った。看板に惹かれるまま、「いけす居食家 大徳利」さんへ入店。

「いけす居食家 大徳利」のヒラメ刺し 11:16

 平戸ひらめまつりは4月上旬までの開催だったようだが、それでもヒラメは外せない。この他に鯛茶漬けも頼み、ノンアルコールビールで乾杯!!。ヒラメも鯛も絶品でした。

オランダ商館 11:51

 言うまでもなく、平戸は出島に移るまで日本唯一のオランダ貿易港であった所。
 1609年にオランダ東インド会社の貿易拠点として設置された商館が復元されており、内部は日本の海外交流史の資料館となっている。
 ツアーの観光バスが次々に横付けされる人気スポットだが、私は早々に退散…

オランダ塀 11:55

 オランダ商館の目隠しとして作られた石塀。ここを登っていくと、崎方公園に入る。園内には三浦按針の墓が立つ。
 公園からしばし西へ進み、南へ石段の急坂を下ると松浦史料博物館に出る。さらに西へ進むと協会の尖塔が近づいてくる。

平戸ザビエル記念教会 12:22

 昭和6年の建築。ザビエルの平戸訪問から420年後の昭和46年、その功績と訪問を記念して教会脇に「ザビエル記念像」が建立され、ザビエル記念教会と名称を改めた。
 ここからがハイライトである。教会を回り込むように東へ下り、正宗寺や瑞雲寺の横を抜けていく。そして振り返ってみると…

寺院と教会の見える風景 12:29

 平戸を代表する光景。教会の尖塔と寺院の瓦が折り重なり、絶妙の構図となっている。しばし我を忘れて佇んでしまう。
 階段を下ると、幸橋に戻ってきた。滞在約3時間の幸せな平戸探訪だった。

 まだこの日は終わらない、博多への帰途の途中、もう一山やりたくなり、伊万里市の黒髪山に向かう。松浦鉄道に沿ってR204をのんびりと進む。常に海を左手に見ながらの幸せなドライブ。伊万里市から県道を南へ走り、黒髪山の登山口である乳待坊公園へ。周囲は奇岩が立ち並び、独特の光景が広がっている。
 公園からしばらくダートの林道を進むと登山口が現れ、夫婦岩の間を登っていく。
 見返峠から稜線を進む。急峻さは感じないが、左手は岩峰が見え隠れし、険しい山を登っているのは分かる。西光密寺への分岐を左に分けると天童岩の直下にたどり着き、梯子や鎖場が続く頂上までの最後の登りとなる。

黒髪山山頂 14:37

 夫婦岩とその背後に青螺山を望む。さえぎるものない1枚岩の頂上からは圧倒的な展望が広がる。
 帰路は慎重に天童岩を下り、夫婦岩の雌岩に立ち寄ってから、乳待坊へ戻る。トータル1時間弱の速攻登山だった。

乳待坊からの夫婦岩 15:11

 武雄北方ICから一気に博多へ。17時前にはチェックイン終了。
 さあ博多グルメを楽しむ。地元の連れと合流し、街に繰り出す。

「もつ鍋一慶」の炙りもつ鍋 18:10

 春吉まで足を伸ばし、「もつ鍋一慶」さんへ。炙ったもつが香ばしくて最高!

「元祖長浜屋」のラーメンなまべた 21:16

 当然シメはラーメン。やっぱり元祖は外せない。メニューはラーメンだけだが、麺の固さは「なま」「カタ」「やわ」「ふつう」の4種類から、油の量は「べた」「ふつう」「なし」の3種類でカスタマイズ。やっぱり替え玉もしてしまった。また太るな…
 幸せな2日間だった。

参考タイム

4/22阿弥陀寺 7:057:15 志々伎神社 7:157:45 志々伎山 7:508:15 志々伎神社 8:158:25 阿弥陀寺
乳待坊公園 14:1014:20 見返峠 14:2014:35 黒髪山 14:4514:55 雌岩 14:5515:00 見返峠 15:0015:10 乳待坊公園

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