−好天の下、塩田平を囲む信州百名山2峰を一気に登頂!−
山行概要
2022年5月4日(水(祝)) | |
塩田平周辺 | |
晴れ | |
単独 | |
中禅寺=0:50=「頂上まで60分」標識=0:35=独鈷山=0:30=「頂上まで60分」標識=0:20=中禅寺【2:15】 田沢嶺浦コース登山口(車止めゲート)=0:20=登山道入口=0:20=子檀嶺岳=0:10=登山道入口=0:15=田沢嶺浦コース登山口(車止めゲート)【1:05】 |
記録文(写真はクリックで拡大)
中禅寺の駐車場の場所が良く分からずに、何度か右往左往したが、何とか駐車場に到着。
早速歩き出す。
登山口目指して、車道を進む。正面にはこれから登る独鈷山が鋭利な姿を見せている。これは手強わそうだ…
虚空蔵堂を右手に見送ると、西前山コース登山口で、ここから登山道となる。「山頂まで100分」の標識があった。
登山口には2、3台は止められる駐車スペースがあり、既に1台止まっていた。ここまで入ったら良かった…
登山道は、滝ノ沢川に沿って、緩やかに登っていく。先ほど眺めた険しい山容とは正反対で、拍子抜けである。
不動滝が現れるが、ルートの勾配は引き続き緩やかだ。「頂上まで70分」、「頂上まで60分」の標識を次々と通過する。
「頂上まで50分」の標識のところで、壁に突き当たった感じになり、いよいよここから急登が始まる。
ロープもある急登。しかも稜線に近づくほど、傾斜が増していく。
ようやく稜線に到着。稜線沿いに進んで行くと、しだいに険しくなり、ヤセ尾根が続く。
切り立った岩頭からは、浅間山(右端)から、篭ノ登山、四阿山らが一望だ。
頂上直下で、沢山池ルート、宮沢口ルートが合流してくる。頂上はすぐそこだ。
ピークからの展望は雄大。真南に美ヶ原が雄大な姿を見せている。
八ヶ岳連峰が見えるが、大部分が蓼科山の陰に隠れてしまっている…
塩田平を挟んで、昨日登った四阿屋山(左端)と、その横にはこれから向かう子檀嶺岳が見える。
帰路につく。急登区間が終わるまでは慎重に下る。結果的にほとんど登りのタイムと変わらなかった…
急登さえしのげば、後は鼻歌混じりの歩行だ。
余裕で西前山コース登山口に帰着。中禅寺までは右手に入る近道があったので、こちらでショートカット。
中禅寺境内には、長野県、いや関東・中部地方で最古の建築物である薬師堂が建つ。
「方三間」という形式で建てられており、東西南北のどちらから見ても柱が四本立っていて、間が三つあることをいう。
茅葺の屋根のてっぺんに、少し先のとがった宝珠や、その下に四角な台(露盤)を乗せて、真上から見ると、真四角な同じ形の屋根に見える。これを「宝形造」と呼び、扉は正面(東側)に3箇所、残りの三方に1箇所ずつあり、あとはみな板を横にはった板壁になっている。平安時代末期に盛んに建てられた形式で、平泉の中尊寺金色堂もこの形式で建てられている。
こうしたことから、薬師堂は平安末期〜鎌倉初期の建立とみられており、国指定の重要文化財である。
近くの塩野神社に寄り道。
塩野神社は、中世には諏訪大明神と称され、この辺りでは、生島足島神社に次ぐ大社として、武田信玄や真田昌幸、信之らも信仰を寄せた。
永禄11年(1568年)、東信濃を勢力下とした信玄は、同神社に社領寄進状を出し、越後国境における築城の無事を祈らせたという。
江戸時代に建立された拝殿は、楼閣造りと呼ばれる二階建てで非常に珍しい形式である。
独鈷山は、弘法大師が山頂に独鈷杵(どっこしょ:仏教の法具)を埋めたという伝承から呼ばれるようになった山。雨の少ない塩田平地方の水源でもあるため、独鈷山の山岳信仰から生まれた神社といわれている。
子檀嶺岳に向かう前に、もう1箇所だけ寄り道。前山寺(ぜんさんじ)に車を走らせる。
前山寺は、弘仁3年(812年)、弘法大師が護摩修行の霊場として開創したとされる。
三重塔の建立年代は不明だが、様式から室町時代と推定されている。三間三重で高さ約20m、屋根は柿葺きである。二層三層に窓や扉、廻縁(まわりぶち:天井と壁を見切る役割)、勾欄(こうらん:欄干)はないが、長い胴貫(どうぬき:木造建物の柱と柱を貫いて構造的に固める横材)が四方に突き出し調和させていることから、「未完成の完成の塔」と呼ばれている。
近くの別所温泉の安楽寺や、生島足島神社、そしてこの辺りの寺社仏閣など、さすが「信州の鎌倉」と呼ばれる塩田平である。
色々と道草したが、やっと子檀嶺岳に向かう。本日2登目なので、なだらかな子檀嶺岳の北側から登る田沢嶺浦コースを採ることに。
塩田平を縦断し、R143から県道12号線に入り、「みすず精工」の看板のところで右折し、林道に侵入。しばらく進んで行くと、山中にぽつんと工場が現れ、少し先に車止めゲートがあり、ここが子檀嶺岳の田沢嶺浦コースの登山口である。ゲートの手前に車を止め、歩き出す。
ゲートからしばらくはダートの林道を進む。大きくジグザグを切って登っていくので、距離はかさむが、めっちゃ楽。
周囲のカラマツ林の新緑が美しい。林道は何度か分岐があるが、全て道標があるので、ルートミスの心配はない。
何度か大きくジグザグを切って進むこと15分ほどで、登山道の入口があり、目の前の稜線目掛けて登っていく。
これまでよりは急だが、さほどの傾斜なく、一気に東西に伸びる稜線上に出た。塩田平から望む子檀嶺岳の独特な山容は、塩田平側の南側の絶壁によるものであり、北側は遥かに穏やかで、故に北側から登る田沢嶺浦コースは楽勝なのである。
稜線歩きもさほどの急登はなく、あっけなく山頂に到着。
南側の塩田平側は断崖になっており、高度感が凄い。塩田平が一望。先ほど登った独鈷山が独特の山容を見せている。
北西方向は、霞んではいるが、北アルプスが見渡せる。鹿島槍が真正面だ。
やっぱり南側の断崖から登って方が良かったかなと、少し後悔しながら、下山を開始。
あっと言う間に林道ゲートに戻ってきた。短時間で信州百名山を2登達成! また9時過ぎだ(笑)
参考タイム
5/4 | 中禅寺 4:45 ⇒ 5:35 「頂上まで60分」標識 5:35 ⇒ 6:10 独鈷山 6:15 ⇒ 6:45 「頂上まで60分」標識 6:45 ⇒ 7:05 中禅寺 田沢嶺浦コース登山口(車止めゲート) 8:00 ⇒ 8:20 登山道入口 8:20 ⇒ 8:40 子檀嶺岳 8:45 ⇒ 8:55 登山道入口 8:55 ⇒ 9:10 田沢嶺浦コース登山口(車止めゲート) |
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