日 程 | 1989年2月28日(火) |
山 域 | 和泉山脈 |
メンバー | 男2人 |
天 気 | 曇り |
コースタイム | JR山中渓駅=1:35=雲山峰=0:35=井関峠=0:25=大福山=0:15=俎石山=2:00=南海箱作駅【4:50】 |
JR山中渓駅はちょうど阪和線が和泉山脈をぶちぬく地点に当たり、こじんまりとした駅舎が1棟あるだけの山峡の静かな駅だ。今回の山旅はここから始めることにする。
阪和自動車道の下をくぐると、登山口の標識がある。しばらくは展望のきかぬ登りが続く。まだ3月にならないというのに、たちまち汗が吹き出すほどの暖かさだ。いささかの戸惑いを感じながらも、どうにか尾根上にたどり着く。そこには内心期待していた反対側の展望、つまり大阪湾方面の大観が広がっていた。生暖かい海風を受けながら、しばしの間この眺めを堪能する。
『あれは四国やろ。でっかいの〜』
『先輩、あれは淡路島ですやん。何ボケとるんですか?』
『そうか…』
ひとたび稜線に上がれば、そこは『紀泉アルプス』と言われるだけの尾根だけあって、岩稜とブッシュがミックスされた楽しい縦走が満喫できる。数回のアップダウンの後、和泉山脈西端の盟主、雲峰山490mの頂に到着。たかが500m弱と笑うなかれ、この辺りでは群を抜いて高いピークであるから、眺望は思いのまま。前述した大阪湾はもとより、六甲、金剛、高野、さらにその向こうには大峰の巨峰たちが聳えている。
雲山峰ピーク
ピークからカヤトの原を南へ少し下ると、高原広場に達する。ここで眼下に広がる和歌山市街を見下ろしながらのランチタイム。ここでも生暖かい風が強く。薄気味悪いくらいだ。
高原広場から見る紀州竜門山
気合を入れなおして、井関峠へのなだらかな巻き道を進む。峠からは小ピークをいくつも越して行く。次の大福山は全く特徴のないピークで休憩もせず先を急ぐ。俎石山へは右へ向かう。踏み跡がか細くなり、ブッシュを掻き分け、掻き分け進む。唐突にピークに着くが展望全くなし。シラけた気分で下山にとりかかる。ここからはルートファインディング注意。地形図と睨めっこしながらの下降が続き、ようやく林道に飛び出た時にはもうぐったり。ここからは関空の工事現場を横目に惰性で足を動かすだけだ。
その夜、テレビが『春一番』が吹いたことを告げていた。