阿蘇山

阿蘇山


【日 程】1989年3月30日(木)
【人 数】単独
【天 気】快晴
【コース】JR阿蘇駅=BUS=仙酔峡=1:10=高岳=0:10=中岳=0:45=砂千里ヶ浜=0:10=中岳火口=0:20=阿蘇西バス停【2:35】

【記録文】
 いよいよ長かった山旅も今日で最後。天候もフィナーレを飾るに相応しい好天である。
 熊本から豊肥本線の始発で阿蘇の広大なカルデラに侵入、カルデラ中央の阿蘇駅で下車。新装なった駅舎は西部劇に出てきそうなオシャレな造りだが心なしか浮きまくっていた。ここからバスで仙酔峡へ。渓谷を後に仙酔尾根への登りにかかる。草木1本生えぬ荒涼とした岩尾根にしっかりとペンキでマーキングされたルートが延びている。岩から岩へ大股で小気味よく登る。前夜雪が降ったのか、逆行でモノトーンの岩尾根に白いきらめきがそこら中に散りばめられている。ここを登るのは私一人。振り返れば久重の峰々がその嶺を競い合っている。
 快調に飛ばし、最高点の高岳にはコースタイムの半分で到達。快晴のピークでゆっくりと展望を楽しむ。周りは全て外輪山に囲まれ、陸の孤島に取り残されたようだ。東方にはその外輪山を圧するかのごとく祖母・傾の連山が屏風のように聳えている。今や私の宿願になりつつある山だ。
 中岳からの展望(烏帽子岳・根子岳)中岳からの展望(烏帽子岳・根子岳)
 高岳を後に阿蘇のシンボル、中岳に向かう。浮石の多い岩稜を下りきると、阿蘇特有の砂の稜線が始まる。ゆるやかに高度を上げ、中岳に到着。足元はすっぱりと切れ落ち、火口の全貌が手に取るように見える。このスケールの大きさは九州ならでは。ここからルートは火口壁に沿っていく。噴火口の大パノラマを常に見ながらの贅沢な縦走コース。火口壁を回り込んで一気に高度を下げると、砂千里ヶ浜に出る。九重のとは全く違う味わい。細長い砂千里を縦断すると、そこはもう観光客でごった返す中岳の火口前であった。


   

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