蒜山(中蒜山・上蒜山)

蒜山(中蒜山・上蒜山)


蒜山大山スカイライン鍵掛峠からの大山南壁、烏ヶ山 蒜山大山スカイライン鍵掛峠からの大山南壁、烏ヶ山


【日 程】2001年11月2日(金)
【メンバー】単独
【天 気】晴れ時々曇り
【コース】塩釜冷泉=0:40=五合目=0:30=中蒜山=0:40=上蒜山(三角点)=0:40=中蒜山=0:25=五合目=0:30=塩釜冷泉【3:25】

【記録文】
 前夜は午後7時に京都を発進し、10時ジャストに米子自動車道蒜山ICを出てすぐ近くの道の駅「風の家」に到着し、車内ビヴァーク。朝方はかなり冷え込む。
 6時前に起床、予報では午前は雨ということもあり、シュラフの中でぐずぐずしていたが、外は濃霧には覆われているものの、どうやら雨は降っていないようだったので、とりあえず登山口である塩釜冷泉まで走ることにする。高原の上部(道の駅「蒜山高原」付近)まで上がるとラッキーにも霧が晴れてきた、朝日に輝く蒜山三山が目の前に現れ、一気にモチベーションが上がる。
 塩釜ロッジの駐車場に車を止め(登山者はロッジ駐車場脇の舗装されていない空き地に止めるよう指示がある。)、立派な道標に従い、歩き始める。
 一度車道を横切ったところが一合目で、少し登って沢を渡ったところが二合目、以後等間隔に合目表示が現れ、気休めにはなる。粘土状で滑りやすい斜面が多く、登りでさえも時折滑る状況。帰りを思うと気は重い。樹林の密度がやや薄くなってくると小さな祠だけの日留神社(五合目)に到着。上部の稜線が望めるようになってくる。ここからは時折鎖場も現れるような急登となる。久しぶりの運動に汗をダラダラ流しながら頑張れば、蒜山三山の主稜線に突き上げた。残念なことに寒気が入っているようで、急に辺りは濃い霧に包まれてしまう。中蒜山のピークはすぐそこ。立派な避難小屋やベンチもあり、霧さえなければさぞかし展望は良いのだろう。仕方なく、速攻で上蒜山に向かう。


ユートピア付近から上蒜山を望む ユートピア付近から上蒜山を望む


 高原状の尾根を一気に下る。不意に霧が晴れ、目の前には上蒜山が中々の高度感で聳え立っている。途中のユートピアと呼ばれる笹原の鞍部まで結構下る。中・上蒜山と尾根づたいだが、それぞれ2つの違った山を登っているようで縦走という感じはしない。上蒜山へは鎖場が連続(正直鎖は整備過剰気味だが…)する急登となる。やっと調子が出てきたのか、一気に登りきるが、上蒜山の最高点はブナ林の中で全く展望はきかなかった。三角点ピークはここからさらに奥にある。もちろん踏みに行くが、訪れる人が少ないのか急にブッシュに襲われてしまう。露で濡れそぼったブッシュと格闘すること約5分で三角点に到着。ここも展望は皆無。体中から立ち上る湯気に包まれながら、三角点に腰を下ろすが、一気に体が冷えたので、とっとと最高点に戻る。


展望全く無い上蒜山三角点 展望全く無い上蒜山三角点


 濡れた鎖場を慎重に下降する。ユートピアから中蒜山への登り返しは分かってはいたが、結構辛い。中蒜山では先ほどよりもガスが切れており、下蒜山も姿を見せている。三山縦走に心は揺れるが、車の回収を考え、やはり塩釜冷泉に降りることにする。結果的にはこれで正解だった。久しぶりの山のせいで、両膝の古傷が悪化し、冷泉に降り立った時には足を引きずる状態だったからである。

 情けない姿で車に帰還する。まずは近くの休暇村蒜山高原で一風呂浴びる。天気はさらに良くなっているようで、蒜山三山を眺めながらの入浴は格別! 普通ならこの気持ちのよい高原か大山周辺で過ごすのが順当ではあろうが、どうしても他に行きたいところがあったので、蒜山大山スカイラインのドライブで我慢することにする。大山寺まで走り抜けただけだったが、それでも紅葉と周囲の山々(烏ヶ山と大山南壁は素晴らしかった!)を満喫できた。


行く手に月山が… 行く手に月山が…


富田城本丸にて 富田城本丸にて


 こんな景色を素通りしてまで行きたかったところとは、米子を過ぎ、さらに西のどじょうすくいで有名な安来から内陸に少し入った広瀬町である。ここには尼子氏の本拠で山城としては名城中の名城と謳われる月山富田城跡があり、上越の春日山城と並んで私の長年の宿願となっていたところである。道の駅「広瀬・富田城」に車を止め、細い車道を城跡へ。正面にはこんもりと盛り上がった月山が立ちはだかるように見える。中腹の山中御殿と呼ばれる平らな陣地跡を過ぎると石畳で九十九折れの超急登「七曲がり」となる。三ノ丸へは5分ほどだが、それにしてもすごい急坂でここを落とした毛利軍の苦労も偲ばれるところである。三ノ丸から二ノ丸、本丸跡はそれぞれ段々に整地された小平地となっており、本丸からははるか日本海まで一望の下だった。
 古城のたたずまいにすっかり満足し、道の駅の隣にある歴史資料館を覗いたあと、今度は食欲を満たしに松江に進路をとる。松江は前回大山を登ったとき以来、なんと12年振り3度目の再訪。中心部京町の駐車場に車を止め、市街をブラブラと散策してから、宍道湖のモロゲエビやシジミに舌鼓を打った。
 明日は三瓶山に行く予定で、なおかつ天気予報では昼前までしか天気は持たないということだったので、今日中に登山口まで入ることにし、結構スリルのある山道をビビりながら運転し、何とか西ノ原の広い駐車場にたどり着く。目の前には月に照らされた男三瓶山がどっしりと鎮座している。何とか天気がもってほしいと思いながらこの日も車内で寝た。

 三瓶山記録文


【タイム】
11/1 19:00    京都市内
   21:15-21:20 中国道美作追分PA
   21:50-21:55 米子道蒜山SA
   22:00    道の駅「風の家」
11/2 06:00    道の駅「風の家」
   06:20-06:40 塩釜冷泉
   07:20-07:25 五合目
   07:45-07:50 八合目
   08:00-08:05 中蒜山
   08:45-09:00 上蒜山
   09:40-09:50 中蒜山
   10:15    五合目
   10:45-11:10 塩釜冷泉
   11:20-11:45 休暇村蒜山高原
   13:10-13:30 道の駅「広瀬・富田城」
   14:00-14:10 月山富田城本丸跡
   14:30-14:40 道の駅「広瀬・富田城」
   15:50-18:00 松江
   20:45    三瓶山西ノ原

 


   

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