西穂〜焼岳

−ひょんなことから初心者4名を連れてアルプスへ。西穂を落とせるか?!−

   

山行概要

日 程
2007年10月13日(土)〜14日(日)
山 域
北アルプス
メンバー
♀3名(S、T、Kさん)、♂2名(O君、私)
コースタイム
10/13
西穂高口=0:55=西穂山荘=1:05=西穂独標=1:10=西穂山荘【3:10】
10/14
西穂山荘=2:40=焼岳小屋=1:10=焼岳=0:50=中尾峠=2:10=中尾温泉【5:50】

記録文

 諸事情により、私以外のメンバーの顔出しできません。ボカシ入ってます。ご了承ください。(笑)
 私のような超わがままな人間にとって、せっかくの休みの日に他人に気遣いをするなど、もっての他の行為であり、故にこれまで初心者を山に連れて行くことはほとんど皆無であったのだが、ひょんなこと(宴会で酔っ払って口にしてしまった)から、職場の初心者4名をアルプスに連れてくことになってしまった。歳をとって少しは良い人間になったのか、いつも単独行がほとんどで寂しくなったのか、理由は今でも良く分からない。(多分後者かも)
 アルプスの初心者コースと言えばやはり新穂高ロープウェイからの西穂が鉄板でしょう。それに、2日の日程と、私が西穂〜焼岳間が未踏だったことから、その部分を加えることにした。(やっぱりワガママかも)

 東北でのやりたい放題の山旅から帰ってきたのが10/11の早朝。そして翌日の晩にはまたアルプスへ出発しようというのだから、ぜんぜん仕事してないな〜 まあ、夏休みを取らず、夏山らしい夏山も行ってないから、アリはアリかな。

 京都を午前1時過ぎに出発。中部縦貫道が今年の9/29に高山ICまで延びたこともあり、5時前には到着した。しかし私はというと道中は運転を任せっぱなしで、エルグランドの後席で爆睡(ワガママすぎる)
 ロープウェイの始発は8時半(日曜日は7時発なのに、土曜日は平日と同じ時間になっている。どうして?)なので、乗り場横の有料駐車場でしばし仮眠。

 

 10/13 快晴

 7時過ぎに起き出す。天気予報は悪くなかったものの、寒気が入ってくるとの予報だったので、正直、ガスだろうと思っていたが、笠ヶ岳方面の稜線がくっきりと目に映るのを見て、一気にアドレナリン急上昇。
 既に乗り場には人が並び始めており、慌てて列に加わる。おかげでさほどの待ち時間なくロープウェイに乗車。
 素人4人組は上昇するにつれどんどん広がっていくロープウェイからの眺望(穂高・焼・笠など)に歓声を上げる。私は「この程度の景色は何度も見ましたよ。何か?」って感じで平静を装っていたが、槍が見えた時には「あっ、槍や!!」と大声を上げてしまった…

西穂高口にて 9:02

 一気に2100mオーバーの西穂高口駅へ。途中、駅レストランの飛騨牛メニューや焼きたてパンに激しく心が揺れたが、何とか素通りに成功。この他、前回来た時には気づかなかったが、駅の売店にはモンベルショップもあり、なかなか便利な所である。

西穂高口を出発 9:21

 外のベンチで軽く腹ごしらえをしてから出発。天気は暑くもなく寒くもなく、正に絶好の登山日和。喜んで登るメンバーを見て、アルプスに初めて来てこんな好天に恵まれるとは何という幸せな奴らだと、訳の分からん嫉妬をしてしまう私である。

撮影大会でなかなか進みませぬ 9:33

 5人パーティにデジカメ3台。これだけ天気が良いと少し展望が開いただけで撮影モードになってしまう。娘2人のカメラは最新鋭機で私のは3年前の型落ち… これにも嫉妬してしまう「小さい」私である。
 もともと4人の体力がどれ位あるのか、ほとんど把握しないまま来ているので、どんだけ歩くことができるのか、かなり不安であったが、写真を撮りながらでもそれなりのペースで進んでいるようなので、まずは一安心。とか思っている間に、今度は遥か西方に白山の姿が見えたりして、また撮影モードへ… 忙しい山行だ。

西穂山荘に到着 10:01

 思ったより快調に西穂山荘に到着。山荘の軒下にはありがたいことにザックを置く棚があり、ここに荷物を置いて西穂を往復することにする。女性陣は完全に空身にした。

西穂へスタート! 10:34

 山荘すぐ上の丸山付近で展望が全開になるのは分かってはいたが、それでも、何度来ても、アルプスの山並みには感動してしまう。娘どもも「キレイ!!!」を連発している。こいつら語彙がホンマに少ないな〜と呆れかえるが、よく考えたら、私も「ヤバい!!!」としか言っていないことに気づき、指摘するのは止めておいた。

西穂の黄葉 10:53

 それにしても上高地側にゆるやかにすべりおりていくスロープの黄葉が「ヤバすぎ」。今年の色づき時期が遅めで良かった。

本格的に登りだす 10:53

 丸山を過ぎ、いよいよ本格的な登りとなる。ガレ場では、さすがに歩きにくいのかペースが落ちるが、それでも初めてにしては、及第点。順調順調。

乗鞍と焼岳 11:19

 あーそれにしても、秋のアルプスいいですね。何て言うのか、ピンと張り詰めた「空気の緊張感」を感じます。

岩場の急登へ 11:32

 何とか順調に来ていたが、いよいよ独標の登りにかかり、本格的な岩稜帯となったところで暗雲が… 娘のうち一人が高所恐怖症で足や手の運び具合がギクシャクしてきた。何でも彼女は打ち合わせ(単なる飲み会)の時に、そのことを訴えていたらしいが、酔っ払った私は全く聞いてなかったんです… それでも独標ぐらいは登らせてあげたいので、ホールドとスタンスの位置を手取り足取り指示しながら、何とか登らせる。娘もよく頑張りました。

独標からの西穂 11:37

 独標の頂上からは、西穂から奥穂への稜線が全開!! かなりの人で賑わっていたが、何とか休憩スペースを確保する。もう、西穂本峰まで行くのは完全に諦めていたので、のんびりと展望を楽しむ。

独標でのんびり 11:58

 東北4連戦ではピークからの展望は壊滅的だったこともあり、私は大満足でした。思わず転寝も…

へっぴり腰の娘 12:55

 いい加減寒くなってきたので戻ることにするが、下りのほうがさらに心配である。男2人で娘を挟んで、登り以上に細かい指示出しで降ろしていく。我々のせいで渋滞発生! ご迷惑をおかけしました。

意気揚々と下山 13:29

 独標直下さえ突破すれば、あとは鼻歌交じりに下っていく。ずっと撮影しながら下ったような気がする。

秋の空 13:30

 秋山最高!!!

西穂山荘に無事帰着 14:06

 山荘前のテラスでお茶の後は夕食まで昼寝。小屋飯を食った後は、談話室で持ってきたワインと東北土産の仙台牛タン燻製とで至福のひと時を過ごした。
 消灯の9時に寝る。小屋は紅葉シーズンの土曜ということで、ババ混みかと思ったが、10人部屋には我々以外には2人連れが一組の計7人のみであり、日ごろの睡眠不足を解消できた。

 

 10/14 曇り後晴れ

 午後から天気が崩れるという予報だったので、5時起床。朝食は弁当にしてもらった。

焼岳へスタート! 5:46

 まだ薄暗い中、焼岳を目指し樹林帯に分け入っていく。高曇りで、いつ日が昇ったのかも分からない天気だが、視界はクリア。展望は今日も良さそうだ。
 上高地への下山路を分け、なおも尾根を進むが、鬱蒼とした森の中を進むので、あまり縦走しているという感じはしない。

雲海 6:57

 たまに展望スポットが現れるが、あまりイベントは無く坦々と進む。色づき始めた木々とたまに行く手に垣間見れる焼岳の姿が徐々に大きくなっていくのが救い。

穂高 7:07

 ふと、振り返ると、何時の間にか雄大な穂高の姿が…

小さな沼の畔を通過 7:14

 静かな針葉樹の森が続く。たまに小沼が現れ、良いアクセントになっている。

焼岳 7:47

 だいぶ近づいてきた。

ヤセ尾根 8:14

 しだいに尾根が顕著になり、結構急峻な箇所が現れる。思った以上にアップダウンがあり、直線距離的には近くまで来ているはずなのだが、焼岳小屋にはなかなか到着しない。

焼岳小屋にて 8:27

 中尾峠直下の窪地に建つ焼岳小屋は、小ぶりで西穂山荘とは比べ物にならない大きさだが、山小屋らしい山小屋だ。
 私はここで抜け目無くビールを調達し、いよいよ頂上アタック。

焼岳をロックオン! 8:42

 小屋のすぐ上で一気に視界が開け、目の前には焼岳がドーン。辺りは荒涼とした光景が展開する。

荒れた斜面を直登 9:17

 見た目はエグく、一体どこを登るのかという感じで、メンバーもビビったみたいだが、実際登ってみると大したことない。

槍穂 9:23

 振り返ると穂高から槍が全開。最高!

噴気出まくりの中を登る 9:57

 ピーク近くは噴気の上がっている箇所が続出し、絵的にも派手なので、皆のテンションも上昇↑

火口湖と白山 10:05

 待望のピークからは今まで隠れて見えなかった火口湖が不意に現れる。

至福のひととき 10:11

 16年振りの登頂に感無量の私。穂高を眺めながらのビールは最高!!! 小指立ててます。

どんどん下る 10:40

 やっぱり秋のアルプスは寒い! やむなく下山開始。
 さすがに上部は急峻で慎重に下る。昨日の西穂では苦戦した娘も今日は慣れたのか軽快に下っている。

すっかりご満悦 11:07

 昨日に引き続き、鼻歌交じりで下山って言うか、ビールも入った私は完全に熱唱モードへ… アホです。ずっと歌いながら降りたので、あまり覚えていない。

高速下山 11:10

 ふと気がつけば、中尾温泉への分岐が近づいていた。

そして 11:11

 上高地は30分位で下れそうに見えるくらいの距離に近づいた。

中尾温泉への分岐 11:21

 分岐を左へ。ここで大展望ともおさらば。今までの大勢の登山者と別れ、静かな樹林帯の中に入っていく。

秀綱神社にて 11:42

 秀綱神社で小休憩の後は一気に下る。人が少ないので、整備状況を心配したが、全く問題なし。初心者との山行は下りに一番気を遣うのだが、杞憂だった。

静かな森を下る 12:16

 アルプスの一般ルートとは思えない。行き交う人は全くなし。

ブナ登場 12:48

 後半部はブナの巨木も現れ、何とかダレることなく車道に飛び出した。

錫杖岳 13:17

 最後は車道をポクポクと下っていく。正面の錫杖岳が凄い迫力。

中尾温泉の足湯 13:45

 ようやく中尾温泉のバス停に到着。もともと男2人はさらに新穂高の駐車場まで歩いて車の回収をするつもりをしていたが、バス停前にある足湯を見て、もう歩く気力はなくなった。
 新穂高までの次のバスは2時間後… タクシーもなかなかつかまらなかったが、近くの旅館に頼んで何とか1台回してもらった。タクシーを待つ間、足湯でほっこりとしたのは言うまでも無い。

飛騨牛に舌鼓 16:20

 新穂高まで戻り、車で平湯温泉のひらゆの森に寄り道。物凄い人であふれかえっていたが、温泉もやたらめったら広いので、特に窮屈さは感じなかった。併設のレストランもみの木で飛騨牛を味わう、「勝利の方程式」。私は運転を放棄して生ビールに手を出してしまいました。皆さんすいません。

 さらに京都までの帰路、後席モニター装備のエルグランド2列目シートは完全にカラオケボックスと化した… 運転してくれたS様、重ね重ねすいません。
 京都には10時過ぎに帰着。当初はどうなることかと思ったが、何とか無事終了。皆さんお疲れ様でした。また行きましょう。

参考タイム

10/13西穂高口 9:0510:00 西穂山荘 10:3011:35 西穂独標 12:5014:05 西穂山荘
10/14西穂山荘 5:458:25 焼岳小屋 8:409:50 焼岳 10:3011:20 中尾峠 11:2513:35 中尾温泉

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