篠山

−車のアプローチが11時間、登山は1時間…−

   
  

山行概要

日 程
2002年11月9日(土)
山 域
南予山地
天 気
雪後晴れ
メンバー
2人
コースタイム
第一駐車場=0:40=篠山=0:25=第一駐車場【1:05】

記録文

 山と魚のどちらが主かよく分からない、超強行のドライブグルメ山行。魚は愛媛県西海町の民宿大下、山は三本杭と篠山が目標である。雪を避けて暖かい南予地方の山をチョイスしたのだが…
 午前2時に京都をスタート。名神のリフレッシュ工事のため、吹田まで高速に乗れないというアクシデントもあったが、それ以外は順調に走行し、5時過ぎには香川県の西端の豊浜SAに給油ストップ。外は無茶苦茶寒い。ふと見た情報板には「内子付近は雪のため通行禁止だったが、午前4時に規制解除」という四国とは思えない(しかも11月中旬なのに!)情報が掲示されていた。
 松山付近で夜が明ける。冬の日本海側を思わせるどんよりとした鉛色の空が広がる。時折霙交じりの雨も激しく降ってくる。ヤケクソ気味でさらに車を走らせ、大洲で高速を降り、宇和町のファミレスで朝食。相変わらず冷たい雨は降り続いている。この日はできれば三本杭と篠山を2つやれないかと思っていたが、この状況では到底無理。気持ちが切れたせいか、暖かい店内にいると思いっきり眠たくなってきた。
 店の外を見ると雨は止んだようだ。諦めが悪い私は、おもむろに三本杭の登山口である滑床渓谷目指して、車を再び走らせる。宇和島の手前で予土線に沿った県道に入ってしまう。本来は宇和島からR320を松野町に向かった方が速いが、眠くてボーッとしていて、間違ってしまった。三間、広見経由で松野町へ。さらに滑床渓谷への車道に入るが、ここで再び雨が激しく振り出した。山の方を見ると思いっきり雪雲に覆われており、恐らく吹雪いているのだろう。これで今日の三本杭登山は完全に諦める。しかしこれでは何のためにはるばる南予までやってきたのかさっぱり分からない。
 もう一つの候補である篠山は車道を使えば往復1時間ちょっとで登れるので、まだ可能性は残しておくことにし、天候の回復を待つため、すぐに登山口には向かわず、高知の中村周りで四万十川下流のドライブを楽しんでから、篠山の南側からアプローチすることにした。ということでR381、441で四万十川沿いにゆっくりと南下。さすがにこの悪天候ではカヌーは一艘も見当たらない。

四万十川

 水の色は関西の濁ったヘドロ川とは全然違う。沈下橋を5つほど見比べながら、中村へ。この辺りまでくると風は冷たいながらも青空も見えるようになってきた。

中村の一条神社

 中村では幸徳秋水の墓や一条神社、トンボ自然公園を駆け足で回り、西へ向かう。

 窪川の手前で右折し、再び山に向かう。高知県宿毛市と愛媛県津島町を結ぶ県道を離れ、篠山への林道に入ると、舗装はされているが、1車線のくねくね道になった。昨夜からの暴風雨(雪)で落石、倒木が多く、全く気が抜けないドライブ。上部行くと路面にはうっすらと雪も積もっている。ナビの調子が悪く、現在地をつかめなかったことから、この車道は果てしなく続くような気がした。雪の状況からこれ以上はもう上がれないなと諦めかけたところで、ようやく登山口の第一駐車場にたどり着いた。
 車の外はほとんど0℃。雪雲の向こうに薄っすらと見える篠山の山体は真っ白。こうまでして登る自分のマニアさに呆れながらも、上下雨具の完全装備(と言っても、スパッツは無いし、靴もハイキングシューズだった)で登り始める。
 頂上にある篠山神社の参道らしく、石の階段の道が続く。まさか南予で雪景色が味わえるとは思っていなかったが、これはこれでラッキーだったかもしれない。30分ほどの登りで平坦な観世音寺の境内跡に出る。ここより上部は鹿の食害を防ぐため、ネットが設けられていた。さらに急になった石階段の道を頑張るといらずの森とピークを分ける鞍部に登りつき、反対側から吹き荒れる強風の洗礼を浴びる。

篠山神社

 体をよろめかしながら、最後の石階段を登ると篠山神社。篠山のピークは神社裏手の高みである。

篠山頂上

 一等三角点の埋まるピークは烈風が吹き荒れていた。北側の山々は全て雪雲に覆われている。西は宇和の海がオレンジ色に輝いているのが何とか見えた。ピークにある矢筈ノ池は完全に凍りついていた。

 寒くてたまらないので、早々に下山。まあ、この状況でよく登れました。帰路は凍り付いて滑りやすい階段に難儀しながらも何とか車まで戻った。

登山口の駐車場

 登りの時よりも駐車場は視界が開けていた。

 今晩の宿泊地である西海町へは車道をそのまま進み、一本松町に下ったほうが速いのだが、路面の状況がよく分からず、躊躇していたが、軽が1台上がってきたので、安心して一本松町へ下る。雪が付いていたのは上部だけで、そこさえ乗り切れば、後は普通に走行可能だった。
 途中、一本松町の一本松温泉あけぼの荘に立ち寄る。シャンプーは無かったが、400円はリーズナブル。体への負担少ない遠赤外線サウナでのんびり。それにしても今日は疲れた。篠山に登るまでに約11時間と自分史上最長最悪のアプローチだった。しかも山自体は1時間… なんだかなあー

西海町の夕暮れ

 すっかり晴れ渡り、やわらかな夕焼けが辺りを包む中、御荘の町から西海町へ。この町は豊後水道に突き出た半島だけで構成されている町。最短の空港から3時間以上かかり、日本で一番不便な所かもしれない。京都からは真っ直ぐ向かっても7時間以上はかかると思われる。海の向こうに九州が見えた時は、とんでもないところに来てしまったと明日帰るのが怖くなってきた。

外泊地区の石垣の里

 今日泊まる民宿大下のある中泊地区をいったん通過し、さらに奥の外泊地区へ。ここには急斜面に段段になって張り付いている民家が海の強風を避けるためそれぞれ石垣を組んでおり、日本とは思えない異国的な光景を見せている。集落の中をひととおり上り下りしてから、民宿へ到着した。

ホーロク焼!

 いよいよ今旅のもう一つの目的、おさかなの登場である。メニューはホーロク焼(足袋エビ、車エビ、ヒオオギ貝等を生きたままホーロク鍋で蒸し焼きにしたもの)と舟活盛(伊勢エビ、タイ、戻りカツオ、クエ、ウニ、サザエ等)とアマダイの浜焼き。もう最高! このためだけでも京都からはるばるまた来たいと思ってしまう。量も多くて、アマダイは最後少し残してしまった。残念無念。

 迷走はあったが、なんだかんだで結構充実した1日だった。満腹と寝不足からこの日は早々に寝た。

 翌日の三本杭へ

参考タイム

11/09京都市内(中京区) 02:0005:20 豊浜SA 05:4007:20 宇和町 08:0009:15 松野町虹の森公園 09:3011:30 中村 11:4512:55 第一駐車場 13:0513:45 篠山 13:5514:20 第一駐車場 14:3015:00 一本松温泉あけぼの荘 15:5016:00 御荘 16:1016:30 西海町外泊 16:4517:00 西海町中泊(民宿大下)

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