丹沢主脈縦走

丹沢主脈縦走


【日 程】平成元年1月3日(火)〜4日(水)
【人 数】男3人
【コース】
 3日 小田急新松田駅=TAXI=ユーシンロッジ=0:10=休憩小屋=0:40=大石山=0:35=ユーシンロッジ【1:25】
 4日 ユーシンロッジ=0:30=登山口=0:50=弁当沢ノ頭=0:50=棚沢ノ頭(丹沢山往復70分)=0:35=蛭ヶ岳=0:30=地蔵平=0:10=原小屋平=0:10=姫次(袖平山往復30分)=0:15=八丁坂分岐=0:10=青根分岐=0:25=平丸分岐=0:10=鳥屋分岐=0:05=焼山=0:20=東海自然歩道副道入口=0:10=西沢林道出合=0:20=焼山登山口【7:10】

【記録文】
 3日 快晴
 小田急新松田駅に9時に集合。I氏は川崎から、K氏は館林から、そして私は夜行で京都からとそれぞれ約束の時間どおりに到着。林道をタクシーでぶっ飛ばし、ユーシンロッジには10時半に着いた。時間潰しと足慣らしを兼ねて、丹沢主稜の好展望台、大石山をピストンすることにする。
 ロッジからいきなりの急登となる。30分ほど頑張ると、富士の見える大石にたどり着く。ここから少し上方に1箇所すっぱりと切れたところがあるので注意を要する。今日は汗ばむほどの陽気で、しかもトレ不足もあって、みんなバテ気味だ。正午前に明るく開けた頂に到着。真正面に富士がバカでかい。その反対側には明日たどる予定の丹沢主稜が大きな広がりを見せている。2時間もの間、のんびりと展望を満喫し、来た道をロッジまで戻った。

 4日 快晴
 4時起床、5時発。暗闇の林道を進む。「ユーシン周辺は(幽霊が)出る。」(I氏談)ということらしく、そう言われてみると結構不気味で、先頭を歩く私も少々怖くなる。半時間程で登山口に着くが、ここは暗いと見つけにくいので、早立ちの場合は下見をしておくべきだろう。山道に入るといきなり急登が始まる。ルートは尾根に沿って忠実に付けられているので、ヘッドラン歩行でもルートミスの心配はないが、とにかくきつい登りだ。しかも私が無謀にもハイペースで突っ走ったので、みなバテバテとなる。途中で日の出を迎えつつも、ぺースを緩めることなく、2本で主稜との合流点、棚沢ノ頭に突き上げた。
 ザックをデポして丹沢山に向かう。不動ノ峰周辺の草原は素晴らしい。右手には相模湾が鈍く光り、その右上方には今日も富士が大きい。左手には関東平野が果てしなく広がっている。去年行った大菩薩と同じく新宿の高層ビル群とサンシャインがはっきりと確認できる。懸念された強風も全くと言っていいほどなく、肌に当たるそよ風は3月のそれだ。目指す丹沢山へは、1回ガクンと落ちてから登り返す。頂上には一等三角点が置かれているが、展望はあまり良くない。スリップに注意して、棚沢ノ頭に戻った。
蛭ヶ岳にて蛭ヶ岳にて
 ザックを回収し、いよいよ最高峰、蛭ヶ岳へ向かう。まず少し登ると鬼ヶ岩に着く。ここからは蛭ヶ岳が大きい。鬼ヶ岩からの下りは浮石が多く、かなり急なので、ゆっくり降りる。両側が切れている最低鞍部に降り立ち、ピークへ最後の急登。10時過ぎにようやく1672.7mの頂に到着。鹿の歓迎?を受け、皆ニッコリ。少し早いがここで昼食とする。富士、南ア、八ツ、大菩薩、奥秩父、奥多摩を眺めながらのランチは格別だった。しかしあまり展望に見とれてはいけない。鹿が常に僕らの昼食を狙っている。I氏は笛で鹿を他の登山者の方ヘ追い立てて、平和に昼食をとっていた人々を撫然とさせていた。
 腹を満たして、後半戦へ突入。まだまだ先は長い。蛭ヶ岳からしばしの間、階段のつけられた急坂を下る。地蔵平の辺りまで来れば道はダラダラ下りになり、余裕で鼻歌も出始める。水場のある原小屋平を過ぎ、高原状の姫次へ。余りに楽なので近くの袖平山を急遽ピストンする。ピークへはヤブ漕ぎが必要。
袖平山にて袖平山にて
 姫次に戻り、下山を再開。ここからは東海自然歩道に合流し、より整備された道が続く。青根への道を2本分けると、立派な黍殻避難小屋が右下に見える。この辺りから振り返れば丹沢三ツ峰が整った山容を見せている。黍殻山を巻くようになると、今山行の最終ピーク、焼山は近い。このピークには鉄製の展望台があり、最後の休憩を取る。皆さすがに疲れてきたようだ。重くなった腰を上げ、足場の悪いジグザグの斜面を急降下する。東海自然歩道の副道に入ると、より急になり、何度もスリップする。林道に合流すれば、もう着いたも同然だ。15時半にバス停に到着した。

 八王子で連れ2人と別れた私は、この晩都心のビジネスホテルに宿泊、明日は天城山を目指す。


      

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