東北の山旅2010

−天気はいまいち。しかし、秋田の名物を満喫! 旅のエンゲル係数またしても高すぎ…−

   

旅の概要

日 程2010年10月9日(土)〜12日(火)
メンバーB、私
旅 程
10/ 9
京都(前夜発)〜山形〜屏風岳登山〜蔵王温泉〜遊佐〜秋田
10/10
秋田〜太平山登山〜男鹿〜秋田
10/11
秋田〜上小阿仁〜森吉山登山〜比立内〜田沢湖〜大釜温泉
10/12
大釜温泉〜抱返渓谷〜十文字〜稲庭〜山辺〜山形〜京都(翌日)

旅行記

 10/9 曇り後雨
 山形への夜行バスは2度目。22,300円で京都から往復できるのだから貧乏人にはありがたい。
 ニッポンレンタカーは駅前にあり、スムーズにクイックスタート。颯爽と発進するが、アクセルをいくら踏み込んでもなかなかスピードは上がらない。今回は軽自動車のライフなので仕方がない。
 今山旅の山行一発目は南蔵王を狙う。空はどんよりと曇っており、天気は午後から本格的に崩れるようだ。故に急ぐ。朝食もコンビニのサンドイッチを運転しながら頬張る私。一気に雲の上に到達。今年の紅葉は全く期待していなかったが、山上では結構鮮やかな紅葉を拝むことができた。
 小雨が降りだし、本振り直前といった悪コンディションであるが、刈田峠周辺の路肩スペースはほぼ埋まっていた。軽自動車の利点を活かし、何とか隙間に車を停め、ストームクルーザーの上を羽織って出発。南蔵王の盟主、屏風岳が目標だが、片道でコースタイム2時間くらいなので夜行明けとしては手頃なところ。連れは空荷だ。

 屏風岳山行記へ

 体が濡れてしまったので、まずは温泉に入りたい。温泉一発目はやはり蔵王温泉。大学3回の夏、熊野岳に登りに来て以来、なんと21年振りの再訪である。温泉街の様子は全く覚えていないが、強酸性のビリビリするお湯は体が覚えている。
 温泉の高台にある「源七露天の湯」をチョイス。源泉流しっぱなしで、近畿の単純泉とは物が違う。硫黄の匂いが強烈で温泉らしい温泉。タオルに染みついた硫黄の匂いはこの旅中、消えることはなかった。

「鞍馬」の天ざる大盛り! 13:59

 遅めの昼食は温泉街にある「鞍馬」という蕎麦屋。新蕎麦の香りが最高!

 なんやかんやで蔵王温泉発が14時半になってしまった。秋田までの長いドライブが待っている。ナビがチョイスした最短経路は新庄、湯沢経由で真っ直ぐ北上するルートだが、帰路もこのルートを取る予定が濃厚なのと、庄内平野は今夏亡くなった父の故郷でもあるので、酒田経由の日本海回りで行くことに。
 山形から酒田までは月山周辺の一部を除き、山形自動車道が開通しているので、思いのほか近い。自動車道は1車線の対面通行がほとんどで、最高速度も70キロとおよそ高速道路ぽくないが、今回軽自動車で、頑張っても100キロ走行がやっとなので、これくらいでちょうど良い。しかも、現在、無料化社会実験中で料金ゼロ。ETCレーンを通過する度に「0円」と表示されるのには笑った。
 終点の酒田みなとICからはR7で夕暮れの日本海沿いをのんびりドライブ。遊佐町の道の駅「鳥海」で土産を物色している間にとっぷりと日が暮れた。秋田県に入り、にかほ市からは日本海東北自動車道が秋田市まで繋がっており、19時前には市内のビジネスホテルに到着。さすがに疲れた。

ハタハタ塩焼きとじゅんさい 20:03

 市内随一の繁華街と言われる川反(かわばた)の一角にある郷土料理屋でハタハタ塩焼き、きりたんぽ鍋等に舌鼓を打つ。あ〜来て良かった! しかし、夜半過ぎから雨が激しくなる… 明日は果たして…

 10/10 雨後曇り
 6時過ぎに目が覚めるが、やっぱり雨… それでも登らぬ訳にはいかぬ。名山巡りとは本当に因果な商売である。
 大平山の登山口である旭又キャンプ場へは、最後まで舗装&1.5車線程度の車道が通じており、秋田市内から40分程度で到着。秋田市民の山と言われているのも頷ける。
 また、この悪天&早朝なのにもかかわらず、既に20台ほどの車が停まっているのに驚く。さすがに三百名山に名を連ねる山であると感心する。
 連れは温泉に向かったので、一人で山に入る。

 太平山山行記へ

 びしょ濡れの状態で連れに回収される。温泉に入りたかったが、とにかく腹が減った。魚を求めて男鹿半島に向かうことにするが、秋田港近くで太助寿司の看板を見て敢え無くギブアップ。秋田では有名な回転寿司屋らしく、ほぼ満席でコストパフォーマンスも秀逸だったが、正直、関西で普段通っている寿司屋と変わりはなかった…
 気を取り直して、男鹿へ。晴れ間も覗くようになってきた。

加茂青砂集落を見下ろす 14:56

 海岸沿いの快適なドライブが続く。最西北端の入道崎へ。

入道崎 15:25

 気持のよい芝生の草原の果てに灯台が建つ素晴らしいロケーション。そしてさらに素晴しいのは、新潟の寺泊ほどではないが、食堂がすらりと並んでいること。

サザエ刺と海鮮汁 15:44

 つい先ほど回転寿司を食したことなどすっかり忘れ、サザエ刺とつぼ焼などに手を出す私。

 本日の温泉は、「温浴ランドおが」。地元の3セク運営の一般的な日帰り温浴施設だったが、入浴料300円はさすがに安い。秋田市内には今日も19時頃到着。あまりお腹は空いてなかったが、やっぱりこの日も川反に繰り出し、比内地鶏を堪能した。

きのこ&比内地鶏炒めと男鹿産のとろとろわかめ 21:11

 それにしても食べすぎ。

 10/11 曇り後晴れ
 本日の目的地、森吉山の阿仁ゴンドラの営業時間は9時からなので、のんびりと朝風呂(今回連泊したドーミーイン秋田には温泉があった)を楽しんでから7時に出発。
 秋田市内に別れを告げ、五城目八郎潟IC経由で阿仁へ向かう。道中、車が故障したらどうしようかと思うほどの山奥を走る。途中休憩した道の駅「かみこあに」の物産展で茹で栗をゲットした連れは大喜び。
 阿仁ゴンドラの山麓駅には予定通り9時前に到着。「アイリス」の撮影でイ・ビョンホンも来たらしい(ここに限らず、秋田は「アイリス」一色のフィーバーぶりだった)。
 ゴンドラの乗車時間は15分で一気に1167mまで標高を上げる。天気は回復するはずなのだが、周囲はガス一色でめっちゃ寒い。ピークまで標高差300m弱で超楽勝トレッキングのためか、こんな天気でも次々と人が登っていく。本格派登山者?の私としては不本意極まりないが、素人の連れがいるので仕方がない。

 森吉山山行記へ

 阿仁スキー場を後に、田沢湖へ。マタギが活躍する(していた)地を行くだけあって、先ほどより更に山深くなる。少し遅めの昼食は道の駅「あに」でマタタビラーメンを食す。13時を回っていたが、この周辺で食事処が少ないせいか、物凄い人出で食堂内はごった返していた。ここの物産展で比内地鶏の冷凍肉他をゲットし、家に送りつける。
 R105で秋田内陸縦貫鉄道と何度か交差しながら南下し、松葉駅の少し手前で左折し田沢湖への県道38号線に入る。峠を一つ越えると懐かしい深い青色の湖面が眼下に広がってくる。

田沢湖。16年振り 14:43

 定番の辰子像の周辺で少し休憩し、湖の南半分をぐるっと回り、「山のはちみつ屋」へ立ち寄る。折りしも「はちみつ祭り」が開催されており、駐車場は満杯。店も凄い人でごった返しており、土産を買うのに一苦労。
 この日は乳頭温泉郷の一つである大釜温泉に投宿。

本日のお宿、大釜温泉 15:52

 廃校になった分校を移築したらしい。食堂には「職員室」の札がかかっていた。

大釜温泉の露天風呂 16:40

 チェックイン直後にさっそくお湯へ。茶褐色の湯は乳頭温泉の中でも最も酸度の強い温泉らしい。洗い場は2箇所だけだが、湯船は内湯、露天ともゆったりとした造りで、秘湯を満喫できる。
 余りに気持ちが良いので翌朝まで5回も入ってしまった。とにかくよく温もる湯で部屋に戻ってもずっとTシャツで過ごしていた程だった。

 10/12 晴れ時々曇り
 あっと言う間に最終日。この日は20時前のバスの時間までのんびりと山形に戻るのみ。朝からのんびりと温泉を楽しみ、9時過ぎに大釜温泉を後にする。角館を少し過ぎた辺りで、抱返渓谷の看板が目に入り、衝動的に向かってしまう。

抱返渓谷 9:55

 神の岩橋(大正15年に完成した秋田県で最も古いつり橋)から渓谷の入口を望む。この辺りは川幅もゆったりとしているが、急激に細く険しくなる。
 紅葉まつりが開催中だったが、盛りには正直1、2週間ほど早かったようだ。

回顧ノ滝 10:17

 一番のポイントと言われる回顧ノ滝(みかえりのたき)へは駐車場から散策路が整備されており往復1時間弱を要するが、断崖が続き、なかなか面白かった。

 大曲ICで秋田自動車道に入り、横手湯沢道経由で十文字ICから事前の情報で直産品が充実してると記載されていた道の駅「十文字」に立ち寄る。ここで土産を買い込む。食堂前に立つのぼりが「十文字ラーメン」、「横手焼きそば」と超刺激的にアピールしているが、本日の昼食は「稲庭うどん」と固く決めていたので、何とかよろめくことなく、道の駅を脱出。
 稲庭うどんは秋田ならどこでも食べられると思うが、やはりご当地で食べなければと言うことで、稲庭町を目指す。町の中心辺り、のどかな田園風景の中に、佐藤養助商店の総本店が佇んでいた。

佐藤養助商店総本店 13:10

 平日なのに、店の前には観光バスが横付けされており、しかも13時だというのに、食堂は満席だった。20分ほど待たされていよいよ食堂内へ。今年で創業150周年、現当主の七代目佐藤養助氏が厚生労働大臣表彰「現代の名工」にも認定されている一子相伝の技を味わう時が来た。

THE 稲庭うどん 13:30

 私は温冷2種のうどんが味わえる「味くらべ天ぷら付」(写真手前)を、連れは冷のつけ汁2種の「二味天せいろ」を注文。ボリュームたっぷり、のどごし最高で大満足の昼食だった(ホンマに食べてばっかり)。

 腹をさすりながら、のんびり南下を続ける。山形の東根市まで高速はつながっていないのだが、ところどころ無料の高規格道が開通している区間があり、思ったより早く山形に帰ってきたので、山形市西隣の山辺町で非常に評価の高い日帰り温泉施設「山辺温泉保養センター」に立ち寄ることに。
 今山旅で様々な優良温泉に浸かってきたが、ここの湯も最高。源泉は2種類(単純泉、塩化物泉)あり、いずれも100%掛け流しで、特に褐色の塩化物泉の温もり具合は凄すぎる。他にサウナや水風呂、打たせ湯も備えており、これが300円で楽しめるのだから、ホンマにこの辺りの方々は幸せ者だと思います。
 大満足の今山旅。京都行きのバスに乗り込む前の最後の晩餐は、駅ビル2Fの焼き肉屋で山形牛カルビに悶絶。やっぱり今旅もエンゲル係数高すぎでした。

諸国名山探訪

Copyright(C) Hiroshi Fujita All right reserved

inserted by FC2 system