−2日とも好天に恵まれた楽チンテント山行−
山行概要
2013年8月17日(土)〜18日(日) | ||
南アルプス | ||
♀1名(Aさん)、♂3名(OM君、OT君、私) | ||
コースタイム | 北沢峠=0:10=北沢峠C.S.=1:00=仙水峠=1:35=栗沢山=0:55=アサヨ峰=0:55=栗沢山=1:15=北沢峠C.S.【5:50】 | 北沢峠C.S.=0:30=二合目=0:30=四合目=1:10=小仙丈ヶ岳=1:00=仙丈ヶ岳=0:15=仙丈小屋=0:20=馬ノ背ヒュッテ=1:15=大平荘=0:10=北沢峠C.S.=0:15=北沢峠【5:15】 |
記録文(写真はクリックで拡大)
8/17 晴れ
京都を22時過ぎに出発。出発当日にI.ヒロシ氏が無念の撤退が決まり、同氏が購入していた和牛1.2キロを門真まで回収に行く必要が生じたことから、大きく迂回しての信州行きである。
第二京阪の門真IC近くで無事和牛を受け取り、反転180度。京滋バイパスで草津PAに向かい、ここでOT君をピックアップし、一路伊那ICへ。伊那ICからは40分ほどで北沢峠行きのバスが出る仙流荘に4時頃に到着したが、すでにバス停横の駐車場は満車で、一段下の駐車場へ。
バスは6時発の予定だったので、さあ少しでも仮眠と思ったが、何やらバス停が騒がしい。次々と登山者が並び始めたので、事務所の人に聞いてみると、臨時バスを5時頃に出す予定で、今から並ばないと乗車は難しいということで、慌ててザックを用意する。
結局一睡もできないまま、5時前にバスに乗り込み、何とか1時間弱ほど爆睡しながら、北沢峠に到着。猛暑の今夏だが、峠は肌寒い。私は何と26年振りの再訪である。
予定より早く到着できたのは良いが、眠くてたまらん。よろよろとテント場へ進む。
長衛小屋前のテント場は、まだ出発前の登山者が多く、かなりの混雑ぶりだ。何とか小屋と水場に近い上段の適地を確保し、3張りのテントを設営。4人で3張りとは、私もようやく流行りの登山者になってきた。
長衛小屋から北沢に沿って静かに歩き出す。ゆるやかな道で寝不足の体を労わりながら進む。
簡易な水力発電機が現れると、その少し上の小平地に仙水小屋が静かに佇んでいた。
なおも谷沿いに進むと、前方に岩だらけの斜面が現れる。以降ガレ場をさらに詰めると、摩利支天の大岩壁が頭上に現れる。
歓声を上げながら進むと、すぐに仙水峠に到着。
大勢の登山者で賑わっているが、ほとんどが甲斐駒ヶ岳へ向かっていった。
物好きな我々は栗沢山へのマイナールートへ。一気に500m近く登るため、樹林帯の急登が続き、寝不足の体にはキツ過ぎる。
30分ほどの苦闘で森林限界を突破、甲斐駒がカッコ良すぎ。
足元の仙水峠まで丸見え。
何度かニセピークに翻弄されながらも、何とかヨレヨレになって栗沢山に到着。
そして期待通り、南側の大展望が新たに加わる。
北岳がさすがに高い。
ここで燃料補給。回復を図るが、座っているとすぐに眠ってしまう…
何とか起き出し、本日のメインターゲットであるアサヨ峰へ向かう。
見た目は近そうだが、岩混じりの稜線は細かいアップダウンが多い。気温もかなり暑くなってきた。消耗戦を余儀なくされる。
稜線の南側は常に涼風が吹き上げてくるが、北側はサウナのようだ。
思いのほか時間がかかったが、ピークは目と鼻の先だ。
アサヨ峰も展望抜群! 北岳がさらに間近に。
仙丈ヶ岳も高い。明日はあれを攻略するのだ。
再び岩稜を栗沢山へ。暑い〜
栗沢山を早々に辞し、北沢峠へ直接下るルートを下降する。すぐに針葉樹の樹林帯に入るが、これが激下りでかつ長い。単調な景色のせいもあるのだろうが、果てしなく感じる。テント場に戻った時にはフラフラだった。
そして、和牛1.2キロの焼肉祭り。他にも色んなつまみもあったが、何と完食!
苦しい〜 15時過ぎですっかり酔っ払ってます。
無駄にスペースを取る4人で3つのテント群。これが今の流行りです。
寝不足解消のため、早々に寝た。泥酔の私はいつテントに戻ったのかも覚えていません…
8/18 晴れ
もともと3時起床の予定だったが、1時頃腹の異変で目が覚める。食べ過ぎ&呑み過ぎで腹痛が… しかも酔っぱらっていたせいで、シュラフに入っておらず、めっちゃ寒い。
トイレを2回ほど往復したら、もう眠れなくなり、そのまま3時に。
ラーメンを無理やり腹に収める。他のメンバーも状況は同様だったようで、隣のテントから呻き声が聞こえる。
次々と甲斐駒や仙丈に向かう他パーティが出発する中、ようやく我々も4時過ぎに何とか出発。林道をまたぎ、仙丈ヶ岳へのコースに入る。
暗闇の中、闇雲に進む。予想通り皆めっちゃ調子悪い。巻き気味に進み、二合目で小仙丈尾根に乗り、北沢峠からのルートに合流。以降ずっと尾根を登っていく。
調子が全く上がらず、次々と他のパーティにパスされる。四合目辺りで夜が明けるが、樹林帯のため視界は効かない。
見通しが効かないので、黙々と登るだけ。五合目で馬ノ背ヒュッテへの道を分け、
五合目の先でついに森林限界を突破。甲斐駒の勇姿が朝日に染まる。現金なことに皆の調子が急に上がる。
ガスに覆われていた北岳方面が一気に晴れた! その左隣には日本一位も。
小仙丈ヶ岳頂上でようやく目指す仙丈ヶ岳が姿を見せるが、何かガスに絡まれており、晴れたり曇ったりでややこしそうだ。
さすがに標高2800mを超え、休憩時はジャケットを羽織らないと寒くてたまらん。
小仙丈ヶ岳からいったん下って、ゆるやかに登り返すと八合目。ここから一気に高度を上げ、仙丈ヶ岳の頂稜へ。
ガスに巻かれながら進むので、虹やブロッケンが頻発する。
大・小仙丈、藪沢カールに挟まれた頂稜を時計回りに進む。風が強く、時々よろめく。ガスにまとわりつかれた頂上はなかなか晴れそうにない。
やっと頂上へ。26年振りの登頂。写真では晴れているように見えるが、周囲がガスに覆われ、展望は効かない。
急にガスが切れた! 北岳、間ノ岳と富士が。日本1,2,4位の堂々揃い踏みである。
次々と人が登って来て、かつ寒くてたまらないので、40分ほどの滞頂で下山開始。
典型的なカール地形の底には仙丈小屋が。
それにしても甲斐駒はカッコいい。深田久弥が十名山に入ると言ったのも、むべなるかなである。
良く整備された下りやすい道が続くので、あっという間に仙丈ヶ岳は彼方に遠ざかっていく。
いったん稜線を離れ、仙丈小屋の建つ藪沢カールの底(モレーン)へ。
仙丈小屋でビールをゲット! 最高!!!
仙丈小屋を下り始めてすぐの草原で雷鳥発見。親1羽に子が4、5羽もいた。悲しいほど全く逃げようとしない。
沢筋の下りからいつしか再び稜線に乗る。振り返る仙丈が高い。
この辺りから樹林帯に入り、かつ藪沢沿いに下っていくので、仙丈ヶ岳はほぼここで見納めである。しっかりと目に焼き付ける。久しぶりの登頂だったが、やはり名峰でした。
馬ノ背ヒュッテ前にはコンコンと冷水が湧き出ていて、ここでタオルを冷却。この2日間で日焼け止めを塗らなかった顔と首筋、そして腕が炎上したので、しっかり冷やす。
ヒュッテからすぐの下りで藪沢に降り立ち、以降、ところどころ雪渓が残る沢沿いをしばらく下る。
道が谷筋を離れると、かなりの急降下となる。一気に高度を下げ、後はゆるやかな道が大平山荘まで続く。
写真はその辺りから眺める鋸岳。
太平山荘から林道をショートカットする登山道で北沢峠に戻り、バスの状況を確認した後、キャンプ場でテントを干したりしてのんびり撤収してから、再び北沢峠に戻る。
臨時便までかなり時間がありそうだったので、長衛荘で名物スープカレーを堪能。
臨時バスは13時前に出発してくれた。伊那IC近くの「みはらしの湯」で2日間の汗を流してから帰路についた。
特に渋滞もなく快調に進み、20時前には帰洛した。お手軽だったがそれでも本格的な登山&展望が味わえた素晴らしい山行だった。
参考タイム
8/17 | 北沢峠 5:40 ⇒ 5:50 北沢峠C.S. 6:55 ⇒ 7:25 仙水小屋 7:25 ⇒ 7:55 仙水峠 8:00 ⇒ 9:35 栗沢山 9:55 ⇒ 10:50 アサヨ峰 11:05 ⇒ 12:00 栗沢山 12:15 ⇒ 13:30 北沢峠C.S. |
8/18 | 北沢峠C.S. 4:10 ⇒ 4:40 二合目 4:45 ⇒ 5:00 三合目 5:00 ⇒ 5:15 四合目 5:20 ⇒ 5:35 五合目 5:35 ⇒ 6:30 小仙丈ヶ岳 6:40 ⇒ 7:00 八合目 7:00 ⇒ 7:20 仙丈小屋分岐 7:20 ⇒ 7:40 仙丈ヶ岳 8:20 ⇒ 8:35 仙丈小屋 8:50 ⇒ 9:10 馬ノ背ヒュッテ 9:15 ⇒ 10:30 大平山荘 10:35 ⇒ 10:45 北沢峠 10:45 ⇒ 10:55 北沢峠C.S. 11:45 ⇒ 12:00 北沢峠 |
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