白馬岳・旭岳

−9人パーティ! 大雪渓からのド定番コースで白馬を攻略−

   

山行概要

日 程
2014年8月2日(土)〜3日(日)
山 域
北アルプス
メンバー
♀3名(AWさん、SDさん、YMさん)、♂6名(OT君、OM君、GM君、OZ君、Wヒロシ(I.ヒロシ、F.ヒロシ))
コースタイム
8/2
猿倉=0:50=白馬尻=2:25=葱平=0:50=小雪渓前=1:20=村営頂上山荘C.S.=0:50=白馬旭岳=0:20=村営頂上山荘C.S.【6:35】
8/3
村営頂上山荘C.S.=0:45=白馬岳=1:10=小蓮華岳=0:50=白馬大池=0:30=乗鞍岳=0:45=天狗原=1:05=栂池【5:05】

記録文(写真はクリックで拡大)

 一夏に一度くらいは、職場の有志でアルプスに向かっているが、今年は何と10人近いメンツになった。初心者もいるので、できるだけ山を嫌いにならないようにという思いから、ド定番のアルプス入門コースである、大雪渓から栂池という、今の私からすると、赤面してしまうようなコース設定に。
 初心者組は小屋泊まりにし、ある程度山慣れした者はテントという、混成パーティとなった。そして、できるだけストレスフリーで歩いてもらうため、時間帯にも工夫を。大雪渓は出発時間が遅れると、大渋滞に巻き込まれ、自分たちのペースで全く歩けないことから、寝不足覚悟で、朝の4時半にタクシーを予約しておいた。当然、小屋も予約必須である。準備を整え、後は、オッサン連中がそれぞれ酒とつまみを持参するだけである。

 8/2 晴れ後曇り一時雨

 前夜、中京区の私の自宅を22時に出発し、メンバーを順次回収してから名神に乗り、草津PAでもう1台の車と合流。運転を適宜交代しながら、白馬八方を目指す(例によって酒が入っている私は、途中の恵那峡SAから爆睡してました。ごめんなさい)。
 白馬八方の第三駐車場には3時半頃に到着。僅かに仮眠を取ってから、予定通り、タクシーで猿倉へ。道中、稜線がはっきりと見渡せ、期待が高まる。

猿倉 5:03

 5時前に猿倉に到着。すでに大勢の登山客で大賑わいである。既に渋滞発生かと、やや焦り気味で出発する。

白馬尻へ林道を進む 5:25

 林道とそれをショートカットする登山道とで、白馬尻へ進む。9人の大所帯のペースメイクは難しいが、もはや芸術の域に達したI.ヒロシ師匠に任せておけば、何の問題もない。

白馬尻に到着 5:54

 順調に白馬尻6時前着。早朝かつ大雪渓からの冷風が抜けてくるので、立ち止まると寒い。
 白馬尻から沢沿いの登山道を10分ほどで、いよいよ大雪渓の末端部に到達。

大雪渓の末端に到着 6:21

 天気は最高! 初心者組は、初めて目にしただろう雪の回廊に大感激の風である。

大雪渓へ 6:49

 ここで初心者組には軽アイゼンを装着してもらう。狙い通り、雪渓上に人は疎らで、最初は傾斜も緩いことから、皆喜んで登って行く。

後方から登山者が迫る 7:12

 しかし、徐々に傾斜が強まるのと、アイゼン歩行に戸惑った者もいて、しだいに後方の登山者に次々とパスされ、気がつけば、我々も立派な行列の構成員となってしまっていた。

果てしない大雪渓 7:31

 我々オッサン連中は、渋滞にイライラしたが、逆に初心者組は適度に休憩を挟みながら登ることができるので、結果的にはこちらの方が良かったようだ。

葱平 8:32

 何とか大雪渓を突破し、アイゼンをいったん外す。今度は灼熱地獄が待ち受ける。草いきれの急斜面をジグザグに登って行く。風が通らず、むせ返るような暑さである。

小雪渓をトラヴァース 9:40

 なだめすかしながら、何とか小雪渓の前へ。面倒くさいが、ここで再びアイゼンを装着してもらう。この小雪渓のトラヴァースは距離は短いものの、急傾斜で油断禁物である。ステップが深く切り込まれているので、アイゼン必須とは言えないが、スリップしたら数十m下のガレ場へ一気であり、大雪渓より危険度は高いところだ。

頂上小屋手前のお花畑 10:08

 慎重に小雪渓をやり過ごし、避難小屋を横目に、ゆるやかに右に旋回しながら、登って行く。周囲は清流が流れ、高山植物が咲き乱れる楽園であるが、だいぶ体力的にキツくなっているメンバーもおり、多分、眺める余力はあまり無かっただろう。
 早いうちから、頭上に頂上小屋が見えるので、それを励みに、何とか小屋前のテラスに登り着く。11時着。初心者2名を含む9人パーティで、渋滞も考慮すると御の字だろう。

 すわ、生ビールと殺気立つが、とりあえずはテントスペースの確保である。テントの受付は12時30分からとのことだったので、先に張ってしまうことに。
 さすがにこの時間では、場所を選び放題で、平坦で、あまりトイレから遠くなく、かつ、臭いが気にならない、絶好のスペースを3張分確保した(一人1000円也)。

至福のひととき!@ 12:05

 さあ、待ちに待った至福のひとときである。小屋前テラスのテーブルの確保にも成功し、生ビール(800円也)を各自購入し、乾杯!

至福のひととき!A 12:05

 予定では昼宴会は早々に終わらせ、周囲を適当に散策するつもりだったが、小屋のピンポイント天気予報では15時から雨との予報だったので、みな気持ちが切れ、完全に飲み過ぎ。
 また、OZ君の仕事振りが絶妙で、担いできてくれた濁り酒や大吟醸他の日本酒を、いつの間にか冷水で冷やしており、みな歓喜の声を上げながら、飲み干していく。まだ13時過ぎである。何しに来ているのか…

昼過ぎで既に撃沈… 13:52

 こうなると、寝不足もあり、昼寝しかない。ヨロヨロとテントと小屋に戻り、みな倒れ込むように爆睡していく。
 なぜか私は眠るのがもったいなくて、起きていたら、まだしばらく雨は降りそうになかったので、山と高原地図にルートは記載されていないが、標高が結構高く、前から気になっていた旭岳に行くことにする。体力のあり余っているOZ君は、まだ行ったことのない杓子岳へトレランして来ると言うので、二人は正反対の方向へそれぞれ向かう。

白馬旭岳へ 14:15

 テント場から、稜線に上がり、少し白馬岳方面へ進んでから、祖母谷温泉へのルートに入る。正面には旭岳が結構なボリューム感で聳えている。踏み跡がないか凝視してみるが、確認できず、とりあえず近づいてみる。

杓子岳、白馬鑓ヶ岳を望む 14:43

 鞍部にある大きな雪田を横断し、祖母谷コースを途中で離れ、雪上を上がれるところまで登ってから、砂礫の急斜面を登り出す。近づいてみると、本当に微かだが、踏み跡があり、外さぬように慎重に進む。一気の登りで頂稜にたどり着き、縦に細長い頂稜を北に進めば、どうみても最高点と思しきポイントに到達した。

白馬旭岳頂上からの白馬岳 14:50

 何も標識は見当たらない静かなピークを独占する。見慣れない角度からの白馬三山の展望が秀逸だった。

白馬旭岳の雪田 15:07

 ルートが安定せず、砂利と一緒に滑り落ちるような下りを慎重にこなし、雪田に降り立ち、のんびりと花を愛でながらテントに戻ったのは15時過ぎ頃。

村営頂上山荘C.S.に帰着 15:13

 そして、私もついには睡魔に負けて寝入った、と思ったら、私も昼寝をしていたと思い込んだメンバーから「宴会第二部始めるで〜」と小1時間程で叩き起こされる。無茶苦茶眠かったが、またしても酒を喰らう。17時頃からついに雨が降り出し、OZ君の4人用エスパースに移動し、さらに飲み続ける。

 延々飲み続け、20時頃に、ついには周囲の人に怒られてお開きとなった。すんません… ベロベロの私は、「明日は4時発!」と言い残し、自分のテントに倒れ込んだのであった。雨はいつの間にか止んでいたようだ。

 8/3 晴れ後曇り

 3時起床。若干二日酔いであることを除けば、頭上は満点の星空。そして無風でフライシートの結露も全くないという、理想的な山の朝を迎える。

黎明の空 4:51

 撤収も協力し合いテキパキとこなし、予定どおり4時に小屋前で小屋組と集合し、同じく御来光を目指す人たちの行列に加わる。白馬岳山荘を通過し、大喧騒の頂上を避け、手前のケルンで朝日を待つ。

御来光 4:56

 そして数分後、完璧な御来光が出現。皆の笑顔が朱で染まる。

白馬山頂 5:12

 人でごった返す白馬山頂で、何とか集合写真をゲット。

白馬山頂からの展望@ 5:14

 ド定番の展望が広がる。後立山連峰から、槍・穂高の面々が連なる。

白馬山頂からの展望A 5:18

 そして、立山・剱岳。今シーズンは、早月尾根の日帰りアタックを検討しているので、テンション上がります。

縦走開始! 5:37

 小蓮華岳への縦走に向かう。目をつぶっても歩けるような平易な稜線歩きが続く。

小蓮華岳へ 6:13

 まさに「夏山JOY」を満喫。しかし、メンバーに体調不良者が出たため、小蓮華岳で少々待機となる。

小蓮華岳頂上 6:46

 これまた定番の小蓮華岳からの白馬岳(大蓮華岳)。傾いた感じが粋ですな。

頸城の山々 7:01

 さすがにここまで来ると、火打、焼山など、頸城の山々が近い。
 ここで、荷物を皆で分担するなどのフォローで何とか行動を再開する。

白馬大池へ 8:36

 ここでもOZ君がトレラン能力を爆発させ、単独大池へランの後、空荷で反転してきて再合流し、荷物を担ぐという英雄的行動を見せてくれた)。
 無事、白馬大池へ着陸。

またしても 8:58

 ここで、またプチ宴会となり、私はビール850mlに残った焼酎も注入し、半泥酔状態で行動を再開。

白馬大池を出発 9:42

 フラフラで、おかげで乗鞍岳への登りは良く覚えていない有様…

天狗原の湿原 11:01

 ここから天狗原を経て栂池までは楽勝と思いきや、ただでさえ下りの登山者が多いところ、栂池から上がってくる人達も半端なく多く、各地で大渋滞が発生し ていたが、I.ヒロシ師匠の絶妙な采配で、適切なすれ違いポイントの設定により、比較的スムーズに栂池に下ることができた。

グリーンプラザ白馬でひと風呂浴びる 14:01

 ゴンドラで下山後、タクシー1台で運転手が八方に戻り、反転しメンバーを回収後、水風呂があるというだけの理由で「グリーンプラザ白馬」さんをチョイス。
 温泉と水風呂でさっぱりした後は、糸魚川の「きときと寿司」で寿司をたらふく食ってから、長躯、京都へ帰還した。17時半に糸魚川を出発し、京都に着いたのは22時半になっていた。疲れたが、それ以上に充実感、爽快感を味わえたアルプス山行だった。

参考タイム

8/2猿倉 5:055:55 白馬尻 6:058:30 葱平 8:409:30 小雪渓前 9:4011:00 村営頂上山荘C.S. 14:0014:50 白馬旭岳 14:5515:15 村営頂上山荘C.S.
8/3村営頂上山荘C.S. 4:154:50 頂上手前ケルン 5:005:10 白馬岳 5:356:45 小蓮華岳 8:008:50 白馬大池 9:4010:10 乗鞍岳 10:1511:00 天狗原 11:1012:15 栂池

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