多良岳・天山・背振山

−禁断の数稼ぎマイカー登山−

   
   

   

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多良前岳からの(左から)五家原岳、多良岳本峰、経ヶ岳(拡大はクリック)

山行概要

日 程
2003年8月10日(日)
山 域
多良岳山地他
天 気
晴れ
メンバー
単独
コースタイム
中山キャンプ場=0:30=水場=0:05=多良川水源地=0:05=稜線=0:15=多良岳(前岳三角点往復25分)=0:05=国見岳=0:10=金泉寺=0:40=中山越=0:30=平谷越=0:10=経ヶ岳=0:10=平谷越=0:45=中山キャンプ場【3:50】
天山神社上宮駐車場=0:20=天山=0:10=あめ山=0:15=天山神社上宮駐車場【0:45】
背振山頂上駐車場=0:05=背振山=0:05=背振山頂上駐車場【0:10】

記録文

 午後3時半、快晴の背振山に立つ。自衛隊の施設が相当に目障りだが、素晴らしい展望が広がる。遥か西方にはつい3時間ほど前に登頂したばかりの天山もよ〜く見える。それなのに、満足感はあまりなく、後ろめたさが募るばかり…
 そ〜、そ〜なのだ。最近の山行では自粛に努め、あれほど軽蔑していた安直ズボラ登頂にまたしても手を染めてしまったのである。景色を楽しむ家族連れの中、一人浮かぬ顔で、周りから浮きまくる私であった…

 昨日は、雲仙登頂の後、太良町まで進出。偶然知り合った地元の人に滅茶苦茶飲まされたが、何とか4時に起きる。多良駅から登山口の中山キャンプ場へ一直線に伸びる車道をほとんど居眠り状態の運転でこなす。
 明るくなってから出発しようとしたが、5時を過ぎても、なかなか明るくならない。とにかく暑い中の行動はできるだけ避けたいので、結局懐中電灯を持っての出発となる。
 古くからの参道だったのだろう、石段の道が続く。急な箇所には順に「千鳥坂」、「幸坂」、「逆坂」、「見上坂」と名前が付けられているが、全体としてさほどの登りはない。それでも、日が本格的に上がる前の行動であるにもかかわらず、今日も汗は大量に噴き出してくる。また顔面には何度も蜘蛛の巣の直撃を受け、蜘蛛もたまったもんじゃないだろうが、こっちも不快極まりない。
 水場で喉をうるおし、なおも登る。多良川の水源地との標識がある所を過ぎると、今度は「夫婦坂」が現れ、これを登りきると役ノ行者の像が立つ稜線上にたどり着いた。

鳥居をくぐり、多良岳へ。

 まずは主峰の多良岳に向かう。しばらくは急な石段がなおも続くが、やがて岩混じりの急登となり、鎖場も現れる。

 突上げた所は、多良岳と国見岳の鞍部になっており、右に多良岳へ。すぐに着く。ピークは小平地になっていて、展望はまずまず。中央には昔お堂が建っていたと思われる礎石らしいものがある。
 多良岳の本峰はここで間違いないと思われたが、少し先に三角点峰があったので、こっちにも寄ってくことにする。間には結構なギャップがあり、後悔したが、降りてしまった後ではもうどうしようもない。途中の岩峰から展望が広がり、最高峰経ヶ岳の奇怪な姿が一望できたのは救いだったが。
 皮肉にも展望全くない三角点峰には前岳という標識がぶら下がっていた。やはり本峰はさっきの所だったと少々落胆しながら、再びアップダウンをこなす。

多良岳本峰

 30分振りに戻ってきた本峰で休憩。昨日雲仙でも遭遇したが、ここでもインターハイが行われているらしく、運営本部の方がすでに待機されていた。長崎県で登山競技を行おうとしたら、やはり雲仙か多良くらいしか場がないのだろう。暑いのにご苦労さんなことであるが、今日もあの大人数とどっかですれ違うことを考えると気が重い。

 五家原岳方面の展望が良い国見岳も往復し、先程の役ノ行者像の所まで戻り、金泉寺方面へ下る。金泉寺周辺は広い平地になっていて、山小屋も建っている。ここにもインターハイ関係者が大勢おられた。
 逃げるように、寺横から経ヶ岳方向への道標に導かれ、再び稜線へ。稜線の東側下を巻くように進む。日が照ってきて暑い。途中のピーク(笹ヶ岳?)の手前で稜線の西側を歩くようになり、一気に涼しく、下草もなくなって、快適な歩行となる。

中山越

 経ヶ岳の南面は非常に急峻なためか、中山越から稜線伝いに直接登らず、いったん平谷越という北側に近い鞍部に回りこんで登るようになっている。トラヴァースが続き、長く感じるので、中山越からのピストン登頂者には結構負担感がある。途中の水場で頭から水を浴び、蘇生を図る。

平谷越

 平谷越にはインターハイのでっかい横断幕があり、関係者も待機中。聞くともうすぐ一部やってくるらしいので、慌てて経ヶ岳へ。固定ロープが連続するなかなか険しい道が続く。

経ヶ岳にて

 ピークからは、特に南面の展望が良好。予想通り足元はすっぱりと切れ落ちていた。やはりこちら側から登ってくるのは無理そうで、コース取りには納得。

 もっと長居したかったが、モロに直射日光を受けるので、やむなく撤退。平谷越、中山越と通過し、南側へ下るが、すぐに林道に飛び出す。私の持ってきたガイドは少々古かったようだ。以後酷暑の下、死にそうになりながら、振り出しの中山キャンプ場に戻った。

 多良岳を終えるまで考えないようにしていたが、割と早く終わってしまった(10時前)ので、掟破りの数稼ぎ登頂への欲望が頭をもたげてくる。
 振り返ると、自分もあまり人のことは言えないものの、特に最近は車に頼った安易な数稼ぎ登頂は避けてきたつもりだったのだが、今回、暑さと九州という地理的状況(京都からは遠い)からあっさりと転んでしまった。

祐徳稲荷神社

 気をそらすため、鹿島にある祐徳稲荷神社に寄ってみるが、参拝後は吸い寄せられるように、佐賀県の名峰でピーク直下まで車の進入が可能な天山に向かってしまう。

天山神社上宮

 立派な車道が天山神社の上宮まで続いており、何の問題もなく到着。汗でぐちゃぐちゃの靴下と登山靴を履くのがうっとおしかったが、いざ歩き出すとあっと言う間に天山のピークに駆け上ってしまった。柔らかな草原のピークは涼風が吹き、展望も最高で、後ろめたさはどこやら、すっかりイイ気分になってきた。

あめ山からの天山

 調子に乗って、対面のあめ山もピストン。この山も草原で気持ちが良い。
 車に戻り、当然のように背振山に向かってしまう。ほとんど歩かずに登れてしまうことは分かっていたので、三瀬温泉やまびこの湯で休憩。

背振神社下宮

 入浴後、嘉瀬川に沿った車道を進む。途中、背振神社の下宮にお参りしてから、思いのほか立派な車道をさらに奥へ背振山上へ。

背振山頂上

 やはり自分の足で納得したコースで登らないとだめですな。

背振山頂上は自衛隊の一大拠点となっている。

 釈然としないまま、車に戻る。いつか、ちゃんと下から登るときが来るでしょうか?

 帰路は福岡側へ下る。ダートの道で慎重に下る。那珂川に沿って博多へ。素朴な山間の景色が次第に大都市へと変貌していく過程を楽しみながらのドライブ。
 なんやかんやで最後は結構満足しながら、2日間の濃縮された長崎・佐賀・福岡の山旅を終えた。

参考タイム

8/10太良町 04:1504:35 中山キャンプ場 05:1005:40 水場 05:4505:50 多良川水源地 05:5005:55 稜線 06:0006:15 多良岳 06:1506:30 多良岳前岳 06:3506:45 多良岳 06:5507:00 国見岳 07:0007:10 金泉寺 07:1007:50 中山越 07:5508:20 水場 08:2008:25 平谷越 08:3008:40 経ヶ岳 08:5009:00 平谷越 09:0009:45 中山キャンプ場 09:5010:20 祐徳稲荷神社 10:4012:15 天山神社上宮駐車場 12:2512:45 天山 12:5513:05 あめ山 13:1013:25 天山神社上宮駐車場 13:3014:25 三瀬温泉やまびこの湯 14:5515:25 背振山頂上駐車場 15:3015:35 背振山 15:4015:45 背振山頂上駐車場 15:5017:30 博多

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