倶留尊山・古光山

倶留尊山・古光山


【日 程】1986年3月13日(木)
【人 数】男3人
【天 気】晴れ
【コース】近鉄名張駅=bus=中太郎生バス停=0:45=池ノ平湿原=0:30=亀山峠=0:15=二本ボソ=0:25=倶留尊山=0:15=二本ボソ=0:15=亀山峠=0:10=亀山南峰=0:10=長尾峠=0:30=後古光山=0:10=深タワ=0:25=古光山三角点=0:40=大峠=1:15=曽爾村役場前バス停【5:45】

【記録文】
 学年末試験後の休みを利用し、この頃妙に気になっていた室生火山群(この仰々しい名称がなぜか気に入った)の主峰、倶留尊山に向かうことにする。クラブの連中全員に声を掛けたが、北河内の地からわざわざ名張まで行くような奇特な人間はそうおらず、結局後輩2人を無理やり連行した。
 この山域は去年の尼ヶ岳・大洞山以来2回目なので、覚悟はしていたが、アプローチが何とも長い。中太郎生のバス停に降り立った時は既に半グロッキー状態。早速、歩き始めるが、足取りは重い。ゆるやかに登った池ノ平湿原からは、すぐ頭上に二本ボソ〜倶留尊山の垂直に切り立った岩壁が望め、ようやくテンションが上がる。東海自然歩道の整備された階段状の道を一気に駆け上ると、亀山峠に飛び出し、ガイドブックで何度も見た曽爾高原の実物が眼前に展開、「室生の山はイイやろ」と後輩に同意を強要する私であった。
 二本ボソまではまさに稜線漫歩。周囲の山座同定をしているうちに、二本ボソに到着。ピークの東側は、さっき下から見上げたように物凄い絶壁。恐る恐る覗き込む。ここから若干のアップダウンをこなすと、待望の倶留尊山頂である。展望は周囲の木々が生い茂っており、ほとんど無いものの、室生火山群の最高峰に立てた喜びは大きかった。

二本ボソから古光山の連峰を望む二本ボソから古光山の連峰を望む

 亀山峠まで戻り、亀山を越える。曽爾高原の明るい雰囲気はここまで、ここから先は古光山の一角となり、状況は一変する。すでにその奇怪な稜線を目の前にしているだけに、結構緊張する。長尾峠から急に人の匂いが薄くなり、ブッシュを掻き分け、進む。後古光山のピークは雑木がうるさいものの、振り返ると倶留尊の優美な姿が垣間見れた。

後古光山からの倶留尊山後古光山からの倶留尊山

ここからが本番である。フカタワまでは正に逆落としと言った状況。所々にロープも固定されているが、それ以外の個所は周囲の木々がなければとても下れそうにない。フカタワで一息ついたのも束の間、今度は古光山の三角点ピークまでさっきの下り以上の超急登となる。距離は短いものの、中々手ごわい山であった。ヘトヘトになって三角点に到着。さすがに展望は良い。室生の山々はもとより、南方には高見山から三峰山のいわゆる高見山地がすべて見渡せる。
 ここからはやせ尾根のすっきりとした稜線歩きが楽しめる。途中、小岩峰のギャップを越え、古光山の最高点となる南峰へ。ここで頂稜部は終了、またしても超急降下が待ち受けている。何度もスリップしながら大峠に降り立った時にはみな膝がガクガクになっていた。
 後は車道をバス停まで歩くのみ。ダベりながら下っていくが、口をつくのは古光山の凄まじいアップダウンの事ばかり。倶留尊山が第一目標の山行でしたが、終わってみると古光山の印象だけが強烈に残っていた。


      

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