木曽駒ヶ岳から三ノ沢岳

−主脈から離れた孤峰、三ノ沢岳攻略のため、中央アルプスに31年振りに見参!−

   

山行概要

日 程
2015年8月8日(土)〜9日(日)
山 域
中央アルプス
メンバー
MM(♀)、私
コースタイム
8/8
千畳敷=0:45=乗越浄土=0:05=宝剣山荘=0:20=中岳=0:10=駒ヶ岳頂上山荘C.S.=0:10=木曽駒ヶ岳=1:00=八合目=0:15=濃ヶ池=0:35=駒飼ノ池=0:35=宝剣山荘=0:10=駒ヶ岳頂上山荘C.S.【4:05】
8/9
駒ヶ岳頂上山荘C.S.=0:10=中岳=0:10=宝剣山荘=0:20=宝剣岳=0:25=三ノ沢分岐=1:05=三ノ沢岳=1:25=三ノ沢分岐=0:10=極楽平=0:20=千畳敷【4:05】

記録文(写真はクリックで拡大)

 8/8 晴れ後曇り

 私の初めてのアルプス体験は、高校1年の時のクラブの夏合宿での中央アルプス縦走であり、見るもの全てが新鮮で、まさに狂信的な山岳教徒となった出来事であった。
 それから、何と31年! 相変わらず山を続けていることに何とも呆れるが、南北アルプスには何度も通っているのに、何故か私の原点であるこの中央アルプスの主脈に再訪する機会がなかった。やっぱり地味なのかな〜
 31年振りに訪れる動機となったのは、主脈から離れた孤峰、三ノ沢岳の存在である。あらかたアルプスの未踏の山を片付けてきたので、2800mを優に超えるこの山の未踏が気になってきたのだ。
 折しも、今年のGWで大峰南奥駈の激闘を一緒にやったMMが、どこかアルプスに行きたいと言ってきたので、それならと、ついに31年振りの中央アルプス行きが実現することとなった。

 京都を21時過ぎに出発し、菅ノ台バスセンターには1時過ぎ着。暑くてとても車内泊はできないと思っていたが、予想に反してかなり涼しく、締め切った狭いコルトプラスの車内でも快適に仮眠することができた。
 ピーク時期であるこの日のバスの始発は5時15分。すでに4時頃には行列ができていたが、何とか2台目のバスに乗ることができ、20分間隔でフル稼働中のロープウェイにも待ち時間なく乗り継ぎに成功!
 今山行で一番懸念していたアプローチをストレスフリーで順調にこなし、快晴の千畳敷には6時過ぎに到着した。

千畳敷を出発 6:24

 既にカールの壁には登山者の行列が出来つつあり、若干焦り気味で出発。標高は既に2600mオーバー! 周囲の景観は既に普通のアルプスで、こんな手軽に味わえるのは凄いと、今さらながら驚く。

南アルプスをバックに登る 6:31

 カール底をゆるやかに登っていくと、やがてカールの壁に突き当たり、急登が始まる。

宝剣岳が間近に迫る 6:41

 何と言っても、標高差は200m弱なので、テント泊装備でも大して汗をかくことなく、乗越浄土に無事到着。

乗越浄土 7:00

 既に宝剣岳や中岳、伊那前岳等が目の前である。そして、遠くには南アルプスのジャイアントたちが一列に並び、歩行時間わずか45分で得た大観に、気持ちの方が追い付かず、何か絵か幻を見ているようだった。

宝剣山荘 7:12

 まずは中岳へ向かう。乗越からすぐ先の宝剣山荘で宝剣岳へのルートを分ける。

中岳へ 7:17

 中岳へは快適な稜線漫歩が続く。

宝剣岳 7:23

 定番の光景。宝剣岳の右手には、空木、南駒の両雄が並ぶ。

中岳からの木曽駒、御岳 7:30

 中岳には祠が立つ。主峰、木曽駒ヶ岳がさらに近づく。見下ろすテン場はまだ2、3張で、今ならどこでも張り放題だ。

設営完了! 8:14

 そして、テント場に到着。少し高台で、トイレからも遠くなく、なにより平坦な、絶好のポイントを確保し、8時過ぎには設営完了!
 小屋でビールを調達してから、サブザックで木曽駒へ。

三ノ沢岳 8:33

 足取りが軽い。背後には明日目指す三ノ沢岳の勇姿が…

北アルプス 8:41

 余裕で木曽駒に到着。中岳からの展望と違うのは、遮る物ない北アルプスの展望である。高1の時からだいぶスレて、くたびれてしまった私だが、それでも山並みは変わらず、感動も変わらない。

朝からビール注入!! 8:44

 この絶景をバックに、朝9時前からビールを注入! プハーッ! サイコー!

宝剣・中岳 9:32

 さぁ、濃ヶ池への周遊に向かう。ゆるやかに馬ノ背を下る。
 振り返ると、また違った角度から、宝剣・中岳の姿が見える。

馬ノ背 9:50

 馬ノ背から将棊頭山、右下方には目指す濃ヶ池を見下ろす。
 この馬ノ背、人影はメインルートに比べ少なく、気持ちの良い稜線漫歩が満喫できる、素晴らしいコースである。

木曽駒を振り返る 9:51

 あまりにのんびり歩いたもんだから、サブザックでもコースタイム通りの体たらく…

濃ヶ池 10:35

 ゆるやかに下った八合目で尾根を離れ、少しの下りで濃ヶ池。だいぶ水量は減っていたが、池と宝剣岳の定番ショットをゲットし、しばし休憩。

登り返す 11:09

 宝剣山荘への登り返しは、まずは、ところどころ残雪の残る小沢のトラヴァースを重ねながら登っていく。

駒飼ノ池 11:25

 しだいに黒川源流に沿った登りとなり、最後はカール状の地形を登って行くと、駒飼ノ池に出る。池はほぼ涸れていた。

登ってきた斜面 11:46

 駒飼ノ池を後に、宝剣山荘まで最後の登り。振り返ると、黒川源流のカール状地形が見事に広がっていた。

中岳を巻く 12:01

 戻ってきた宝剣山荘からはキャンプ場へは、中岳を越えず、トラヴァースルートでキャンプ場へ向かう。
 けっこう断崖を行くところもあって、ピーク越えのルートより、体力的・精神的にキツいのではないだろうか。

焼肉開始! 13:01

 12時にキャンプ場着。テントの花がさらに開いている。もう待ちきれなくなり、焼肉開始!
 MMが持参してくれた、京都の焼肉の名店「はやし」の赤白ミックスと生ビールに昇天!
 結局、3時過ぎにはシュラフの中へ。睡眠不足もあり、そのまま爆睡してしまった…

 
   

 8/9 快晴

 3時起床。日ごろの睡眠不足はすっかり解消された。テキパキとテントを撤収し、4時半前には出発。

御来迎! 5:03

 一気に中岳まで登り、ここで御来迎を待つ。真夏なのに、かなり寒い。中岳頂上の岩陰でしばし待機。
 完全無欠の御来迎は久しぶりだ。八ヶ岳の背後から、太陽が昇る。

宝剣岳へ 5:09

 朝日を浴びながら、勇躍、宝剣岳へ向かう。

宝剣岳へ取り付く 5:22

 宝剣岳は見た目はそれなりに険しげだし、ザイルで確保された中高年パーティがいたりと、なかなか物騒な感じであったが、何のことはなかった。

宝剣岳からの展望 5:39

 あっさり秒殺した頂上からは、目指す三ノ沢岳と空木・南駒の勇姿がくっきり。

宝剣岳から南へ縦走 5:48

 北側よりも南側の方が、少しいやらしかった。

 写真は宝剣岳南稜に挑むMM。余裕で越えていく。

三ノ沢岳へ@ 6:15

 宝剣岳の岩陵が終わると、今山行のメインターゲットである、三ノ沢岳の分岐が現れる。
 ザックを分岐にデポし、身軽な体で、まずはいったん大きく下る。

三ノ沢岳へA 6:36

 大きく聳え立つ三ノ沢岳に圧倒されるが、そこは空荷なので、グイグイと登り返す。

三ノ沢岳頂上@ 7:25

 そして花の咲き乱れる頂上部へ。踏み跡が輻輳しているが、最後はピークに収斂され、待望の三ノ沢岳頂上へ。
 御岳と北アルプスがさらに近づく。

三ノ沢岳頂上A 7:41

 見慣れない角度の木曽駒や宝剣岳が新鮮である。

三ノ沢岳からの帰路 8:01

 木曽駒、中岳、宝剣岳を常に眺めながらの稜線漫歩。最高!

三ノ沢岳を振り返る 8:50

 ほれぼれする山容。登って良かった!

三ノ沢分岐@ 9:12

 余裕で三ノ沢分岐に戻ってきた。今更ながら宝剣岳は格好良いなあ〜

三ノ沢分岐A 9:14

 ザックを回収し、極楽平へ。宝剣岳までの岩稜から一変、平坦すぎる稜線が続く。

千畳敷へ下山 9:38

 このまま縦走したいが、極楽平から千畳敷へ下山。
 10時前だし、ロープウェイの待ち時間0。菅ノ台バスセンターへ戻り、早太郎温泉「こまくさの湯」へ。さっぱりした後は、併設の食堂でソースカツ丼も堪能し、京都へは4時前に帰着。天気も最高で、全て計算通りに事が運んだ改心の山行でした。

参考タイム

8/8千畳敷 6:157:00 乗越浄土 7:057:10 宝剣山荘 7:107:30 中岳 7:357:45 駒ヶ岳頂上山荘C.S. 8:308:40 木曽駒ヶ岳 9:2010:20 八合目 10:2010:35 濃ヶ池 10:5011:25 駒飼ノ池 11:2512:00 宝剣山荘 12:0012:10 駒ヶ岳頂上山荘C.S.
8/9駒ヶ岳頂上山荘C.S. 4:204:30 中岳 5:055:15 宝剣山荘 5:155:35 宝剣岳 5:406:05 三ノ沢分岐 6:157:20 三ノ沢岳 7:459:10 三ノ沢分岐 9:209:30 極楽平 9:309:50 千畳敷

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