太郎山・戦場ヶ原散策

−ビビりの本領発揮、Wピストン−

   
この日の行程は赤線です

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太郎山頂からの日光連山(女峰山〜男体山〜白根山) 拡大はクリック!

山行概要

日 程
2002年6月22日(土)
山 域
日光連山
天 気
晴後雨一時雹
メンバー
単独
コースタイム
林道出合=3:05=太郎山=1:00=林道出合【4:05】(1時間以上ロス)
湯元温泉=0:30=湯滝=0:30=小田代橋=1:00=竜頭滝=0:05=菖蒲ヶ浜【2:05】

記録文

 本来なら山に行くような状況ではないはずだった、が、トルコに負け、私の中ではワールドカップは完全に終了した。傷心の山旅に向かう。
 東京での出張終了と同時に電車にダッシュし、19時には宇都宮に到着。天気が不安だが、予定通り車を借り、日光宇都宮道路であっと言う間に日光の清滝ICへ。日光は何と12年振り3度目の探訪。懐かしいというか、自分がそれだけ年を喰ってしまったというのが腹立たしい。
 清滝周辺には市営の「日光和の代温泉やしおの湯」が21時までやってるので、そこで一風呂浴びたあと、日光市内のガストで遅めの晩飯をとる。(日光市内中心部の店じまいは早く、21時を過ぎて営業している飲食店がほとんどない。)
 付近で適当な寝場所を探したが、あまり良い所が無かったので、眠かったが、奥日光まで今日中に進むことにする。暗闇のいろは坂をビビりながら、何とか突破し、戦場ヶ原の三本松茶屋の駐車場で寝ることにした。余計な照明が無く、ぐっすり寝ることができそうだ… が、爆睡していたら、急に車を外から叩く2人連れ登場。半分キレながら窓を開けると、栃木県警の職質にあってしまった。顔に懐中電灯をあてられながら、京都から山に一人で登りに来たと説明するが、なかなか納得してもらえない。やはり私のやっていることは他人からは理解不能の行動なのか… ムカっときて役所の職員証を出すと、急に態度が変わり、すいませんを連発して帰っていった。時計を見ると午前2時。向こうもこんな深夜に大変だが、起こされたこっちも悲惨である。後は明るくなるまであまり寝れなかった。

 明るくなってきた。眠くて頭が重い。天気も思いっきり曇っているが、予報は雨だったので、とりあえず雨が降り出す前に登り、それから昼寝をするつもりで、裏男体林道へ車を走らせる。太郎山への分岐に入るとダートになるが、路面はおおむね良好。特に問題なく登山口に到着。車内で朝食をとり、まだ薄暗い林の中へ入る。笹の下生えの気持ちの良い林をゆるやかに登っていく。標高2000m前後で傾斜は一気に上がり、壁のような急登となる。淡々と機械的に足を運ぶ。目指す太郎山の姿はガスの中だが、今日はピークハントと割り切ってしまっているので、何とも思わない。そういう失礼さが山の逆鱗に触れたのか、ガレ場の辺りで、前触れ無く雷鳴が轟く。西の方で稲妻が走る。おまけに体中がチクチクし始めた。付近の地表に白い点が、どんどん増えてくる。雹だ。これはたまらんと、いったん樹林帯まで後退、様子をみるが、雷鳴ますます盛んになり、どんどんこちらに近づいてくる感じもする。山を始めた頃に中アの空木岳で雷にやられた記憶がよみがえる。ここであえなく撤退。標高的には8割以上登ったのに… がっくりと頭を垂れての敗走である。何度も滑りながら、なんとかゆるやかなところまで降りてきた。と思ったら、何と急に雨が止み、晴れ間が見えてきた。目の前に男体山の見紛うことなき膨大な山体が突如現れる。怒りで体中の血が沸騰しそうになるのを抑えながら、善後策を一人でいろんな人格と相談?し、反転180度に決定、怒りのパワーで、下ったばかりの超急登を再び駆け上がる。さっきのガレ場では、周囲の展望が全開。皇海山も見えてきた。

花は全くない「お花畑」

 ガレ場を突破すると再び樹林帯となり、壁を越えると、目の前には一目で火口跡と分かる平坦地が広がった。通称「お花畑」と呼ばれているらしいが、残念ながら花はない。お花畑を横断し、ピークへ最後の登り。

やっと着いた太郎山頂

 遮るもの何一つ無いピークについに立った。登る前は往復4時間弱の楽勝コースと思っていたのに、これほど苦労するとは… それだけ登った実感のするピークである。展望は最高! 今まで角度的にどうしても見えなかった奥日光の盟主白根山がはっきりと確認できる。奥鬼怒の向こう、尾瀬方面はガスの中だったが、北東方面には南会津の七ヶ岳や荒海山も良く見えた。

登山口からの男体山

 常に男体山を眺めながらの下山。さっきの撤退時とはまるで気分が違う。意気揚々と胸を張って下る。登りでは気が付かなかったが、登山口付近の新緑はまぶしい位に輝いていた。

 当初の予定よりだいぶ遅れたとはいえ、まだ10時過ぎである。まずは温泉でしょう。湯元温泉の白濁した湯を思い出し、無性に入りたくなったので、車を飛ばす。前2回とも「はるにれの湯」に入ってたので、今回は別の所で「ゆ処山月五識の湯」に入った。900円と少し高めだが、綺麗な湯船を一人で占拠し、露天風呂から山並みを眺め、気分は最高である。

湯の湖

湯滝

 湖畔のレストハウスで鱒定食とビールで祝宴の後は、まだまだ時間もあるので、奥日光の散策に向かう。赤ら顔で湯の湖の西岸を半周し、九十九折れの急坂を一気に下ると、豪快な湯滝の落ち口に立つ。マイナスイオンを浴びまくり、リフレッシュした後は、美しすぎる新緑の森を小川に沿ってのんびりと進む。目の前が急に開けると、そこは戦場ヶ原の一角。何度も立ち止まり、デジカメ撮影にいそしむ。

小田代橋付近で

竜頭滝

 小雨も降ってきたが、かまわず散策を続行、竜頭滝の下まで歩きとおした。中宮祠まで歩こうかとも思ったが、結構足が疲れたのと、バスがちょうど来たのもあって、本日の歩行はこれにて終了。湯元温泉に戻った。

湯元温泉の源泉

 明日の女峰山も奥日光側から登るつもりだったので、本来ならこの辺りにいたら良いのだが、食料等の買出しができてなかったので、コンビニを求めて日光市内まで下降。ついでに「やしおの湯」にもまた入り、そのまたついでに再びガストでメシを喰ってから、再び奥日光へ。前夜の職質に懲りたので、この日は人がわりといる湯元温泉の駐車場で寝た。誰にも起こされることなく、朝まで安眠できた。

 翌日の女峰山へ

参考タイム

6/21宇都宮 19:2020:20 日光和の代温泉やしおの湯 20:4521:00 日光市内 21:4522:30 三本松(泊)
6/22三本松 04:4005:00 林道出合 05:3008:35 太郎山 09:0510:05 林道出合 10:2510:45 湯元温泉 12:2012:50 湯滝 12:5013:20 小田代橋 13:2014:20 竜頭滝 14:2014:25 菖蒲ヶ浜 14:3515:00 湯元温泉 15:5016:50 日光和の代温泉やしおの湯 17:3018:40 日光市内 19:3020:00 湯元温泉

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