浅間隠山・岩櫃山

−「ついでの山」だったが、思わぬ収穫−

   

   

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浅間隠山頂からの浅間山、四阿山(拡大はクリック)

山行概要

日 程
2002年6月9日(日)
山 域
角落山塊・岩櫃城跡
天 気
快晴
メンバー
単独
コースタイム
二度上峠下登山口=0:45=浅間隠山=0:35=二度上峠下登山口【1:20】
一本松登山口=0:30=岩櫃山=0:25=岩櫃城本丸跡=0:05=一本松登山口【1:00】

記録文

 出張を利用して急遽、山行を試みる。当日の朝の天気を見て思いつくという、いつもの無謀山行である。頭の中のメモリーをひっくり返し、5分ほど愚考。関東周辺では一番お手軽と思われる浅間隠山を何とか思い出し、朝一の高崎線の鈍行に飛び乗る。
 高崎駅に着く。頭上には6月とは思えない、カラッとした青空が広がり、高架駅からは、浅間山荒船山などが迎えてくれた。トヨタレンタカーの事務所に始業と同時に飛び込み、何とかナビ付きヴィッツを確保する。駅前の吉野家で腹ごしらえをしてからドライブ開始!
 R406で西へ。榛名の南山麓をのんびり進む。この辺りは日本代表クラスの山々がゴロゴロしており、何とも羨ましい。流れるラジオの話題は今夜のロシア戦一色。私もキックオフまでに東京に戻らなければならない。
 倉渕村に入り、北軽井沢への県道を進む。ワインディングをひとしきりこなすと、二度上峠下の登山口に順調に到着した。

二度上峠下登山口

 既に駐車スペースはあらかた埋まっていた。どうせ2時間位だからと路肩に失敬させてもらう。

 短パンとジョギングシューズといういつものふざけた格好でスタート。おまけに今回は地図もない。ガイドブックもない。さすがにこれはひどいなと一時だけの反省をしているうちに二度上峠からのルートと合流し、なだらかな稜線を北に進む。

急登を前に

 周囲の山ツツジは満開。いい時期に来たもんだ。という内に、急登が始まる。なかなか凄い急登だ。登りなのにジョグシュの踏ん張りが効かず、滑りまくる。もう降りてきたオバハンに「あんた、大丈夫か?」と声をかけられるような体たらくである。登りでこの有様だから、帰りはどうするのかと悩みながら登るうち、急に視界が開け、ピークまでの最後の急登。最後は軽快に小走りでゴールしようとしたら、最後にやっぱり滑ってこけてしまった。別のオバハンにまた笑われる。クソッ!

待望のピーク

 しかし、そんなしょうもないことより、何だこの展望は! こんなに見えていいんですか?

 目の前には雄大な浅間が黙々と噴煙を上げている。浅間隠という嫌がらせのようなネーミングの山だが、ピークは浅間山を眺めるために存在しているとしか言いようがない。浅間に気を取られていたが、その他も凄い、凄すぎる。浅間から左に、八ツ、南ア、奥秩父、奥秩父の上に富士、西上州、両神、妙義、榛名赤城皇海男体日光白根武尊至仏谷川草津白根岩管、横手四阿、北ア、そして浅間で一周(少々くどいな)と、いやあ〜久しぶりにド迫力の大展望を見させてもらいました。一眼レフを持ってきてないのが悔やまれる。

榛名山

 懸案の下りは、何とか木を掴みながら、やり過ごし、怪我無く下山成功。それにしてもわずか1時間余りの歩行でこれだけの実りが得られる山も凄い。秋晴れの日にもう一度来てみたい。

 展望は大満足だったが、山行自体はあっけなく終わったせいか、まだ時間がある。最初は軽井沢でもブラつこうかとも血迷ったが、やはり野郎一人で行くところではない、群馬側に引き返し、まずは亀沢温泉でのんびりした。

 軽く寝てから、自分的には未踏で馴染みの無い吾妻川流域へ。

行く手に立ちはだかる岩櫃山

 郷原集落に入る手前で恐ろしい岩山が目に入る。道路地図で確認したら、何と城マニアの私としたことが、超有名な岩櫃城のある岩櫃山だった。下調べをしていないので、どれ位時間がかかるのかさっぱり分からなかったが、とりあえず行ける所まで入ってみよう。

 吾妻線の群馬原町駅付近で岩櫃山を案内する標識を発見、林道を登ってみる。
 平沢地区の一番上部まで上がると、登山者用の駐車場があり、簡単なガイド図も掲示されていた。1時間半もあれば、戻ってこれそうで、決行である。平沢からのルートは沢通りと尾根通りの2つあるようだが、沢通りの方が登りが楽なような気がして、こちらを選ぶ。快晴の陽射しの元でも薄暗い濃密な樹林の中を進む。名の通り、沢通りだが、枯れ沢を進んでいく。しだいに周囲は大岩が目立つようになり、コースは岩を迂回したり、ハシゴで越えていったりする。沢が尽きると、一気の急登で尾根に登りつき、岩尾根を上下すると九合目。ここから岩頭のピークはすぐ目の前に望める。ヤセ尾根を進み、最後は垂直に近い岩場を鎖で突破すると、岩櫃山山頂である。遮るものは何一つ無い岩頭の頂だけに周囲の展望に目が行きそうなところだが、この山はまず足元に目が行った。登ってきた方向の反対側は断崖絶壁となっており、すぐ真下に民家が見える。(先ほど車から見た岩山はこちら側を見ていたらしい)高所恐怖症気味の私には少々きつい光景である。それでも見続けてしまう位、インパクトのある光景。全く予備知識無しに登るのもたまにはいいものである。

ピークから下を覗く。怖い…

ピークからの榛名山

ピークから遥か上州武尊山を望む

 いったん、先ほどのルートを戻り、途中で分岐する尾根通りルートに向かう。またしてもよく滑る。結果的には岩の中を下る沢通りルートの方が降りやすかった。相当に苦労して小平地に降り立つと、そこはお目当ての岩櫃城の本丸跡だった。武田領内の三名城と謳われ、真田家縁の城にこの日立てるとは全く思っていなかったので、感動もひとしおである。

岩櫃城本丸跡

 後は、渋川経由で高崎までのんびりと戻った。

参考タイム

6/9高崎 08:4009:45 二度上峠下登山口 09:5010:35 浅間隠山 11:1011:45 二度上峠下登山口 11:5012:40 亀沢温泉 13:3514:05 一本松登山口 14:1014:40 岩櫃山 14:4515:10 岩櫃城本丸跡 15:1515:20 一本松登山口 15:2516:50 高崎

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